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SARNews No.2

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SARNewsNo.2(Mar.2002)SARNewsNo.2構造活性相関研究会・ニュースレター<31.March2002>「目次」<記事>///QSAR今昔///構造活性相関自分史山川眞透・・・2///研究紹介///ある国内製薬企業の創薬最前線での研究紹介・・・5田中明人///研究紹介///タンパク質三次元共通構造特徴の自動認識システムの開発・・・8加藤博明<報告>・構造活性相関部会の設立申請と承認について藤原英明・・・12・第29回構造活性相関シンポジウム報告中馬寛・・・12・構造活性相関講習会2001報告広野修一/中山章・・・12<お知らせ>・第30回構造活性相関シンポジウム・・・13・構造活性相関講習会02・・・14<編集後記>・・・15-1-SARNewsNo.2(Mar.2002)/////QSAR今昔/////構造活性相関自分史山川眞透塩野義製薬に入社、研究所物理化学部門に配属され、窪田種一主任研究員(後に岐阜薬科大教授)のご指導の下、分子軌道法による有機化合物の分光学的及び物性の研究といういささか浮世離れした研究に従事していたところ、突然のテーマ変更により薬物の構造活性相関の研究を行なう事になり、大変途惑いを覚えた。大学の教養課程以来、生物とは無縁で、製薬会社の社員であったにも関わらず、薬理学関係の基礎知識は皆無に等しかった。嘘のような話だがguineapigとはアフリカはギニア産のブタと思っていたほどであった。それまで無縁のJMC等の欧文誌を見たところ全く読めなく、早速、医学英和大辞典を購入し、単語を引いたところ今度は和訳の意味が理解できなく、初めて日本語の意味が理解できないと辞書は役立たないという自明の理を改めて痛感した。その上、構造活性相関分野そのものがまだ発芽期でそれに関連した入門書は全くなく、どこからどのように手を付ければよいのか、見知らぬ原野に一人ほりだされた心境で茫然自失の感であった。しかし、藤田稔夫先生が第一回構造活性相関シンポジウムを京都で主催されるなど、この分野の事始めから参加できた事は大変幸運であった。この分野を生業とするに至って、最も困った事の一つは疎水相互作用であった。この相互作用は構造活性相関では極めて重要で主役を演じている事は解ったが、理解する事ができなかった。それが原因で半年ほど仕事に全く進展が無く、窪田先生に大変迷惑をお掛けした。それまでご教授頂いていた分子構造や量子化学関係の研究者に尋ねてもあまり明解な答えは得られなかった。ところが生物関係の研究者に尋ねると知らない人は皆無であった。しかし、その本質あるいは定義は人それぞれの感があり、かなり概念的で漠然としているような思いがした。それは全く、その頃子供の間で流行していた月光仮面の歌(知っている人はかなり高齢)、つまり、“どこの誰だか知らないけれど、誰もが知ってる・・正義の味方・・”の通りで、ここでも茫然自失であった。何しろ量子化学の分野では四つの相互作用――電磁、強い、弱い、重力相互作用――しかなく、しかも、それらの相互作用を媒介する素粒子は整数のスピンを持つと教え込まれていたので、そのどれにも相当しなく、媒介する素粒子も不明な相互作用があるなど晴天の霹靂であった。理解できないのは自分だけかと思うとかなり落ち込んだ。しかし、大阪での構造活性相関シンポジウムで司会していたとき、K大のU先生が質問に立たれて、疎水相互作用などという相互作用はなく、それは多分にartificialなものであると発言された。先生が以前、量子化学の分野で大変ご活躍されていた事を存じ上げていたので、疎水相互作用についての知識を深める絶好の機会と思って、実際は当時先生に近い考えを持っていたが、心ならずも反対の立場の意見を述べさせて頂いたが、その際の質疑応答は良い勉強になった。すぐそれは無謀な試みと判ったのであるが、若気の至りで疎水相互作用そのものを定式化あるいは定量化できないものかと考えて、いろいろ疎水相互作用に関連した文献を調べたり、諸先-2-SARNewsNo.2(Mar.2002)生方に教えを請う内に、疎水相互作用の本質は物理学的にはエントロピーであろうという事が理解できるようになった。一方、生物学的にはエントロピーだけではなく、エンタルピーの部分も含まれている事もおぼろげながら理解できるようになった。このように分野によって定義内容が異なるのは一見不合理にようでもあるが、次のように考えてはどうだろうか。主体はエントロピーであろうが、有機化合物のような小さい分子間の相互作用では無視しても差し支えなかった弱い電磁相互作用が蛋白や核酸のような巨大な生体高分子が関与する系では塵も積もれば山となるで無視できなくなる。これを疎水相互作用の一部、つまりエンタルピー部分として繰り込まれていると解釈するのである。Hansch先生を始め藤田先生やLeo博士は疎水相互作用の尺度として、オクタノール/水間の分配係数を提案された。しかし、オクタノールは水を、水もオクタノールをかなり溶解できる。このような理論的に取り扱いの難しい、いわゆる俗語的には汚い系を尺度として選んで、相互の溶解度が極めて小さく、物理化学的に取り扱いやすいシクロヘキサンのような飽和炭化水素を疎水相とする系を何故選ばなかったかかねがね疑問に思っていた。Hansch先生にお会いできる機会があったので、その事をお尋ねしたところ、答えは全く簡単明瞭であった。すなわち、いろいろな系について試みたところ、オクタノール/水系の分配係数が化合物の生物活性と最良の相関を示したので、この系を選んだとの事であった。生体内の疎水相が多分に水を含んでいる、あるいは適当にOH基またはその類縁基を有しているなどの考察からではないようであった。Hansch先生の考え方はまず生物活性を再現できる事が第一で、理屈はその次の段階であるとのお考えのように見うけられた。疎水相互作用そのものは定式化できなくても分配係数なれば純粋に物性定数なので定式化は充分可能である。分配係数の理論的な研究から少しは疎水相互作用の本質が見えてくるのではないかと考えた。以前に研究していた紫外可視スペクトルの溶媒効果の解析に用いた理論を応用する事を思い付いた。先ず、分配係数の疎水相依存性に適用したところ満足な結果が得られた。これに勇を得て、化合物の分配係数を予測する式を検討したところ良好な結果が得らた。分配係数は私にとってなじみのある分極率や双極子モーメント等の関数である事が明らかになり、疎水相互作用に対する違和感も遠のいていった。しかし、この問題はそれほど簡単ではなかった。3DQSAR解析であるCoMFA法の出現は私に再び悩みの種をよみがえらせた。開発者のCramerらは疎水相互作用を明確な形では導入していない。その点をCramerに聞いたところ6-12vdwpotentialで表現される立体相互作用に含まれているとの答えであった。その後、多くの研究者が疎水相互作用を指数関数の形で表現しているが、少し疎水相互作用のエンタルピー部分を強調しているように思われる。1975年から一年間、藤田先生のご紹介でHansch先生の下に留学できた事は大変幸運であった。そこには吉本昌史博士(三共)が先に留学されていて、日常の買物から教室の研究方針、習慣にいたるまで懇切丁寧に教えて頂き、何の障害も無く研究体制に入れた事は今も感謝しています。その頃はすでに吉本博士らによるQSAR式へのダミー変数の導入が確立され、古典的QSAR解析は一つの完成期に達していたが、まだ、コンピュータグラフィックスなどハードな計算を必要と-3-SARNewsNo.2(Mar.2002)する次世代のCADDは始まっていなかった。したがって、手法的には特に目新しいものは学べなかった。しかし、Hansch先生からは構造活性相関研究の本質的な考え方について多くの事を学ぶ事ができた。それまで私はどちらかといえば理論を第一とする傾向が強かったが、先生はまずQSAR解析を手段として活性の強い化合物の発見を第一においておられた。実際に当時いた四人の博士研究員の内二人は化合物の合成が主なテーマであった。QSAR解析の有効性を証明したという強いお考えであったのかもしれない。しかし、理論的な分野にも決して無関心ではなく、それはその時々のそれぞれの専門家との共同研究にゆだねる方針のようであった。それも幅広い分野にわたっての交流と人徳があってはじめて成功するのであろう。帰国後はステロイドホルモン、キノロンカルボン酸抗菌剤、セファロスポリン類、β-遮断剤、除草剤、抗HIV剤、TXA2受容体拮抗剤等のCADDに従事する事となった。前二者では臨床実験までたどり着く事はできなかったけれども、有力な候補化合物をQSAR解析によってデザインでき、その解析の有効性を示す事ができた。最初、合成者の労力を考えて、なるべく分子構造的に簡単な化合物をデザインし、しかもなるべく化合物を絞り込む事を念頭において解析を進めた。しかし、まもなくこの考えは全くの間違いである事が分った。つまり、大部分の場合、分子構造的に簡単な化合物はすでに合成されているか、さもなくば合成不可能なため未知化合物となっているかのどちらかである。また、あまり化合物を絞り込むと合成者の思考範囲を狭くして、それまでに経験や文献から得ている豊富な知識を生かせない状況を作り出して、むしろデメリットになる。合成しない側の人間にとってあまり多くの構造式を見るのはしばしば苦痛を覚えるものがあるが、合成者にとっては数十程度の構造式を見るのはそれほどのものではなく、人によってはいろいろ想像が広がりむしろ楽しみさえ覚えるようである。実際にキノロンカルボン酸類で成功したのは20化合物程デザインし、その中から合成者が選択して彼等のアイディアを付け加えた化合物を合成したからである。1990年代に入るとCADDはコンピュータの進歩と共に飛躍的な発展を遂げるようになる。3DQSAR、3DSearch、denovodesignなど斬新なアイディアの下に続々新しい手法が提案されるようになってきた。第一世代のCADDが二次元図である分子の構造式をベースとしているのに対し、これらの新しい手法は分子の立体構造をベースとした手法であるのが顕著な特徴である。そして、leadoptimizationが主目的である第一世代に比べて、leadgenerationにその軸足を置いているといえる。これらは新しい分子構造の新薬を何とかして創造しようとする要求にそったものであった。大きな期待を持って幾つかのプログラムを導入したが、ノウハウの蓄積が少なかった為か、有用な情報は幾つか得られるものの顕著な成果は得られなかった。それはleadgenerationはoptimizationに比べると比較にならないほど困難である事を考えると当然である。しかし、プログラムの進展とノウハウの蓄積に伴い大きな成果が得られるようになると確信している。薬物設計の知識が皆無であった私を終始暖かくご指導頂いた窪田種一、C.Hansch、藤田稔夫、森口郁生の諸先生及び吉本昌史博士をはじめ多くの方々に感謝します。また多大なご支援をいただきました塩野義製薬株式会社とその社員の方々にお礼申し上げます。-4-SARNewsNo.2(Mar.2002)/////研究紹介/////ある国内製薬企業の創薬最前線での研究紹介㈱リバースプロテオミクス研究所化学部門長藤沢薬品工業㈱探索研究所田中明人SARNews編集委員会代表の藤原先生より研究紹介を書くようにとのお話を受け、若輩者ですが最近の研究紹介をさせて頂くこととなりました。筆者は所属欄にもありますように本年正月より千葉県木更津市に創設されました株式会社リバースプロテオミクス研究所に出向いたしております。本研究所は①タンパク質-低分子化合物相互作用解析技術を確立し、②創薬研究の見地から重点的に選択されたヒト全長cDNA由来のタンパク質約6,000種と汎用低分子医薬品約800種の相互作用情報を取得し、③この情報と汎用医薬品の構造、物性、薬理作用、適応疾患、副作用およびタンパク質の構造・機能の情報に関するデータベースの構築によって、④創薬標的タンパク質の新規な候補を数多く見出し、このような創薬標的タンパク質の候補に適合した新医薬品の分子設計を可能にする知識ベースと理論を基盤技術として開発する、ことを目的として弊社を初めとした国内企業の共同出資の形で設立されましたが、まだ実質的研究を開始したばかりですので、ここではこれまで所属しておりました藤沢薬品・探索研究所での研究紹介をさせていただきます。近年、ゲノム創薬の名のもと、“創薬ターゲットを目指したバブル的投資”が欧米メガ企業を中心に展開されてきましたが、我々の研究室ではゲノム創薬に規模で対抗する戦略は自滅への道と考え、無い知恵を絞りながらそれなりの展開を行ってまいりました。まだ、研究内容について発表できる段階ではありませんが、我々はこれまで蓄積してきた“独自の化合物”という我々固有の財産に徹底的に固執し、ゲノム創薬的な絨毯爆撃型戦略ではなかなか到達できないであろう創薬ターゲットの“影”くらいは掴めるようになってまいりました。今後、魅力的創薬テーマの先行企業による特許的囲い込みが見込まれておりますことから、独自テーマの発掘能力が今後一層その重要性を増すことから、今後ともこの非ゲノム創薬型ターゲット探索の技術アップを図りたいと考えております。また、本研究会と直接関係する論理的なドラッグデザインに関しても積極的な取り組みを行ってまいりました。近年の創薬レースは、世界的な認可基準の困難化が進む一方、低分子化合物のターゲットとなりうるテーマが枯渇し、同一テーマへの企業参入が集中化し、年々その厳しさが増し、創薬におけるスピードアップ化がより強く求められております。その中で、論理的なドラッグデザインは規模で見劣る国内製薬企業にとってはメガ企業に対抗できる有力な戦略であるため、その重要性が高まってきております。藤田先生が開拓されました定量的構造活性相関の手法は既に探索合成現場での市民権を得ており、関連ツールも浸透し合成担当者が必要に応じ自由に使える(と本人達は思っている)環境にあるため、我々の研究室では主にターゲット薬物受容体の3次元構造を元にした論理的なデザインにここ数年取り組んでまいりました。特に、3次元構造を元にしたデザインにおいては、ターゲット薬物受容体の3次元構造の精度がその成功の秘訣-5-SARNewsNo.2(Mar.2002)と考え、最近ポストゲノム研究で流行の類縁タンパクからの受容体構造推定方法ではなく、X線結晶解析による実験的な手法に注力してまいりました。ターゲットのX線3次元構造は、計算的手法では予測困難なタンパクの主鎖構造の変化や、わずかなリガンド分子の構造変換による結合モードの大幅な変化にも対応できる等のメリットがありデザインする側としては申し分ないものなのですが、その実行にはターゲットタンパクの発現、高精度の精製、結晶化、微小結晶でのX線結晶解析等多くの関門が存在しております。我々はこれらの難問克服を目指し、1つ1つの関門に対し、社内外の多くの専門家の協力を得て、遺伝子のクローニングから3次元構造をグラフィック画面で見るまでわずか3ヶ月で遂行できるレベルにまで到達することが出来ました。もちろん、タンパクは個性が強く、なかなか発現しないものや、発現しても非活性型であるものも、精製により活性が失活するもの(純度が向上しないもの)、100%近い純度になったにもかかわらず結晶化しないもの、結晶が出ても薄い板状にしかならないもの、等があり苦労の連続ですが何とか成功率向上を目指し日々研鑚を続けております。また、これまで述べてきた研究内容とは趣を異にしますが、社内創薬データの統合データベース化およびそこからの創薬知識の探索にも取り組んでまいりました。驚かれる先生方もおられるかも知れませんが、これまで、弊社の場合、創薬データ(特に初期データ)は各担当者が個人レベルで管理する場合が多く、不幸にもその担当テーマが発展しない場合は各担当者の移動とともにそのデータが散逸してしまうことが少なくありませんでした。特に、これからの流動的な人事環境の中ではこの傾向が強まる懸念があります。先にも述べましたように、現在の創薬レースには特にスピード化が求められており、創薬の大きな障害であるADMEや毒性の克服には(開発段階でのドロップ原因の約50%はこの2つの原因)これまで以上の投資が行われております。しかし、このようなデータ散逸の環境のままでは重要な企業財産である創薬データが使われないままとなり、過去の経験が新規テーマに活用されず歴史的に同様な失敗を繰り返す懸念がもたれておりました。特に、ADMEや毒性はすべてのテーマに共通であるため、そのデータ散逸は創薬スピード化にとっても重要な課題となっておりました。また、社内合成化合物のいくつかは、そのままランダム評価用のライブラリーに加えられ、新規テーマ創出時のランダムスクリーニングに再活用されているため、その化合物履歴は少しでも豊富であることが求められておりました。これらの理由から、テーマ初期のデータであってもその散逸を防止することが必要と考え、著者らは各研究所のメンバーとワーキングチームを構成し、研究本部・情報部門のバックアップのもと各人が保有している電子化データ(EXCELでも何でもとにかく電子化されているデータ)および非電子化データ(いわゆる紙のデータ)のデータベース化を試みました。しかし、これらの作業は当初の予想以上に困難を極めました。特に、HTSシステムのように均一なデータが揃うことが無いテーマに関してもデータを統合化し、全体として1つのデータベースとして構築するのにはかなりの工夫と労力を必要としました。幸いなことに、我々の活動への社内の理解が高く、多くの部門の積極的な協力を得ることが出来ましたことから、現在ではほとんどのADME、毒性データは担当部署で直接データ入力するなど、当初の目的をほぼ満足する創薬統合データベース体制を完成することが出来ました。今後は、こうして統合化されたデータの解析を遂行し、オリジナルな-6-SARNewsNo.2(Mar.2002)Lipinski’sRule的なもの(米国Pfizer社のChristopherA.Lipinskiが医薬品データを解析し、優れた膜透過性を示すために必要な分子特性に関する必要条件として提出した著名なルール)の創案等、過去の創薬情報を知識化することを目指しております。また、同時にこれらの創薬情報をオンライン化することにより共有化し、「情報だけは、20年のベテランも新人社員も同等になれる」研究情報体制の確立を目指し、創薬研究のスピード化を目指したいと考えております。以上、ここではここ数年の筆者が属する研究室・チームの研究紹介を簡単にさせていただきました。今後は、これらの研究を創薬研究全体にontimeに活用し、疾病に苦しむ患者さんのQOL向上に貢献できるNCE(NewChemicalEntry)の早期創出を目指し、これらの研究が真に認められる時を目指したいと考えております。残念ながら、これらの研究内容のほとんどが企業秘密に属する事項であるため、ここでの研究紹介がはなはだ不十分なものになったことと思いますが、本拙文が世界規模の創薬レースの中で、企業規模の劣る国内製薬企業が、創薬の最前線でどのような研究を行っているかの一端でも読者の先生方に感じて頂くことが出来ましたら幸いと存じます。また、末尾ながら本SARNewsでの発表機会を与えていただきました藤原先生および編集委員会関係先生方に心より感謝いたします。-7-SARNewsNo.2(Mar.2002)/////研究紹介/////タンパク質三次元共通構造特徴の自動認識システムの開発豊橋技術科学大学・知識情報工学系加藤博明1.はじめにタンパク質は主たる遺伝情報の最終的な発現系となる生体高分子であり、その三次元構造と機能との間には密接な関係があることはよく知られている事実である。特にモチーフと呼ばれるタンパク質構造中に特定の配置で存在する局所構造特徴は、遺伝子配列の中でもよく保存されている部分であると考えられる[1]。従って、タンパク質のモチーフ構造探索、あるいは広い意味での三次元共通構造特徴の探索はタンパク質の構造-機能解析だけでなく、遺伝情報解析においても極めて重要な問題の一つである。一方、決定されたタンパク質三次元構造情報の増加に伴い、その構造データベースはタンパク質の構造と機能との関係解明など分子生物学上の新たな知識獲得のための基本要素として、その重要性はますます高まっている。しかし、タンパク質構造の巨大さや複雑さ、さらには近年の急激なデータ数の増大から、手動による構造モチーフの検索やその特徴解析はほとんど不可能となっている。そのため、これらのデータベースを有効に活用し、三次元構造特徴の系統的な解析を行なうための方法論の確立、並びに有効なコンピュータツールの開発が切望されている。本研究では、タンパク質の高次構造特徴解析のための基礎となる三次元共通構造特徴探索のためのアルゴリズムの開発と、これに基づく三次元モチーフ探索の自動化の問題について検討を行なっている。2.三次元部分構造検索最初に通常の有機低分子を対象とした三次元部分構造検索アルゴリズムの開発を行なった。本研究では与えられた化合物分子の構造を三次元空間内の各構成原子に対応する点の集合として取り扱う。また、その表現に際しては、これらの点の集合を原子間の距離行列として記述し、これに対応する辺重み付きグラフを考える。すなわち、三次元幾何情報を含め、化合物分子の構造をその構成原子を頂点、それらの間の距離を辺とする重み付き完全グラフとして表現する。この表現をもとに、三次元部分構造検索を部分グラフのマッチング問題として、グラフ論的なアプローチのもとに検討を行なった[2]。一方、タンパク質の三次元モチーフ検索への応用に際しては、タンパク質の各構成アミノ酸残基をそれぞれ一つの仮想原子とみなし、対応する各残基のCα原子の座標を用いて近似することにより構造表現の簡略化を図った[3]。この縮約表現をもとに、PDB(ProteinDataBank)ファイルから抽出した543タンパク質からなる検索実験用の三次元構造データベースを作成するとともに、troponinC(PDBコード:1TOP)中での存在が知られているEF-handモチーフ(カルシウム結合部位)[4]を質問構造として三次元モチーフ検索を試みたところparvalbumin(1PAL),calmodulin(1OSA),-8-SARNewsNo.2(Mar.2002)Query(1TOP:D142-F154)1PAL1OSA図1検索されたEF-handモチーフ部位のグラフィック表示例.recoverin(1REC)等のタンパク質中の同様なモチーフ構造を正しく検出することができた。特に、1PAL,1OSAはそれぞれ複数の対応モチーフ部位を持つことが知られており、検索結果からこれらのタンパク質について各モチーフ部位を正しく検索できたことが確認できた(図1)。なお、本研究で定義した三次元構造検索機能は、その質問構造が相互に直接的な結合を有していない(配列的に連続しない)パターンに対しても適用可能であるという点で特徴を有している。3.三次元共通構造特徴の自動認識次に、あらかじめ質問構造パターンの設定を必要としない、複数タンパク質間の三次元共通構造特徴の自動認識手法について検討した(図2)。ここでは、タンパク質の構造をその構成二次構造セグメント(α−ヘリックス及びβ−ストランド)単位で取り扱い、各要素をそのセグメント上のN-,C-両末端に位置する二つのアミノ酸残基(Cα原子座標)で代表した高次縮約表現を導入した。このように表現した二つのタンパク質構造からクリーク(最大完全部分グラフ)探索手法を用いてその二次構造セグメントの数が最大となるような三次元共通構造特徴を探索する[5]。一方、三つ以上の複数タンパク質を対象とした場合には、その組み合わせ論的な爆発を避けるため、最初に二つのタンパク質分子を選択し、それらについて二分子比較のときと同様にドッキンググラフの生成を行なう。そして、そのドッキンググラフからクリーク候補が探索されるごとに、その対応パターンがその他の分子中に含まれるか否かを調査する近似的な方法を採用した。以上の考えをもとに実装したプログラムを用いて、alcoholdehydrogenase(1CDOA),lactatedehydrogenase(9LDTA),glyceraldehyde-3-phosphatedehydrogenase(1CERO)の三つのタンパク質間の共通構造特徴探索を試みた。これらはRossmann-foldモチーフと呼ばれる類似したNAD結合ドメイン[6]を持つことが知られており、実験の結果、これに対応する6本の平行ストランドが同定できたことが確認された(図3)。また、ここで同定した構造特徴を質問構造パターンとして、三次元モチーフ検索プログラム[7]を用いてデータベース検索を試みたところ、本モチーフを持つことが知られているいくつかのタンパク質中の対応部位を正しく検出することができた。これらの-9-SARNewsNo.2(Mar.2002)3DProteinStructureDatabase3DMotif(Candidate)MaximalCommonSubstructuresAutomatedIdentification図2タンパク質三次元共通構造特徴自動認識の概念図.1CDOA9LDTA1CERO図3同定された三次元共通構造特徴のグラフィックス表示例.結果は、タンパク質の新たな三次元共通構造特徴あるいはモチーフ候補部位の発見に向けての本法の可能性を示すものである。4.おわりに以上、作成したプログラムについては、その探索条件の指定や結果のグラフィックス表示などの一連の操作をWWWベースで行なうためのユーザインターフェースを含めたシステム化を行なった[8]。現在、これらの成果を基礎として、タンパク質構造中のある特定のアミノ酸残基(例えばグリシン残基)の三次元空間配座に注目した新たな構造表現の導入と、それに基づく立体構造の自動分類への応用について引き続き検討を進めている。一方、既存の知識ベースともいえる配-10-SARNewsNo.2(Mar.2002)列レベルのモチーフデータベースPROSITE[9]に登録されている配列モチーフパターンに注目し、これに対応する三次元モチーフ辞書の作成も併せて行なっている[10]。今後は、開発したシステムを用いた新規モチーフの探索や共通構造特徴解析を基礎とするタンパク質の三次元構造-機能相関に関する知識獲得実験を試みたい。最後に、本ニュースレターでの研究紹介の機会を与えて下さいました高橋由雅先生、ならびに編集委員の先生方に深く感謝致します。[参考文献][1]C.BrandenandJ.Tooze,IntroductiontoProteinStructure,GarlandPublishing,NewYork(1991).[2]H.KatoandY.Takahashi,Bull.Chem.Soc.Jpn.,70,123-127(1997).[3]H.KatoandY.Takahashi,Bull.Chem.Soc.Jpn.,70,1523-1529(1997).[4]N.D.Moncrief,R.H.Kretsinger,andM.Goodman,J.Mol.Evol.,30,522-562(1990).[5]H.KatoandY.Takahashi,J.Chem.Soft.,7,161-170(2001).[6]M.G.Rossmann,D.Moras,andK.W.Olsen,Nature,250,194-199(1974).[7]H.KatoandY.Takahashi,Comput.Applic.Biosci.,13593-600(1997).[8]加藤博明他,第28回構造活性相関シンポジウム要旨集,164-165(2000).[9]A.Bairoch,NucleicAcidsRes.,19,2241-2245(1991).[10]加藤博明他,第24回情報化学討論会要旨集,125-126(2001).-11-SARNewsNo.2(Mar.2002)////報告////構造活性相関部会の設立申請と承認について現在の構造活性相関研究会が、懇話会として発足以来、同志の手弁当の会として運営されかなりの発展をして参りましたが、時代の変遷と共に学術活動も形(制度)を整えて行った方が、役員や会員の負担が少なく機能的効率的に大きな進展が見込めるようになりました。当研究会でも、この3年余り「学会化」について模索を続けて参りましたが、寺田代表の並々ならぬ御尽力により、この度、日本薬学会の中に構造活性相関部会の設立を申請できる運びとなりました。実際の申請は、本年1月末に常任世話人(6名)を中心に発起人を集め、55名の連名として申請しました。その後、2月19日の部会調整審議会で設立承認の方向が出され、先日、4月1日からの発足承認の正式通知が参りました。このように順調に設立が承認されましたのも、発起人の方々はじめ、皆様の御尽力による賜ものであり、深く感謝しますとともに、新部会の発足を心から喜びたいと思います。部会の具体的な運営は、これから細部までを決定して行く段階ですが、今後とも皆様の御支援をお願い申し上げます。(発起人代表阪大・医藤原英明)第29回構造活性相関シンポジウム報告毎年、医農薬等の生理活性化合物の構造と機能・活性の相関解析を主題とし、創薬に関連する各分野からの討論が行なわれる構造活性相関シンポジウムを11月7日(水)~9日(金)に徳島大学蔵本キャンパスで開催した。今年の討論主題として、1.定量的構造活性相関の基本パラメータ、2.医農薬への応用、3.構造生物学と創薬、4.ゲノム創薬、5.コンビナトリアルケミストリーと創薬および定量的構造活性相関の情報数理的アプローチ、6.吸収・分布・毒性・環境毒性、7.その他、8.学際的な広がりの中の情報化学と構造活性相関のクロスオーバーを一般発表として募集した。今年も情報化学討論会(日本化学会情報化学部会主催)との同時開催であったが、より密接な両シンポジウム・討論会の連携が幹事会でこのところ毎年議論されていたが、今年は講演形式の合同セッションの形で、7日午後、細矢治夫先生(お茶の水女子大学)、寺田弘先生(徳島大学)の特別講演、北村一泰先生(大正製薬)の招待講演を含めて9件の講演を行なった。8、9日は西本吉助先生(大阪市大名誉教授)、都野雄甫先生(九州大学名誉教授)の特別講演、嶋田一夫先生(東京大学)、近藤裕郷先生(塩野義製薬)、冨田勝先生(慶応大学)、馬場嘉信先生(徳島大学)の招待講演を含め、44件の一般発表とポスターセッションが行なわれた。今年のシンポジウムでは第24回情報化学討論会実行委員長の矢野米雄先生(徳島大学工学部)と緊密な連携のもとで、A.情報化学討論会とのより緊密な連携、B.参加申込から要旨集作成までの電子化、Web、CD版要旨集の発刊、C.定量的構造活性相関を主軸としながら、上記3~8を中心とした関連分野の取りこみ、を明確なキーコンセプトと設定した。特にBの電子化は今後の学会運営とさらには発展には避けては通れないが、何分にも初めての試みであり、多くの労力が費やされたが、関連各位の御尽力で無事、CD、Web(http://ciqs.jstage.jst.go.jp/ja/)版要旨集の発刊までこぎつけることができた。すべてが当初の目標まで到達したわけではないが、今後の部会、研究会活動の御参考になれば幸いと考えている。最後に日本薬学会医薬化学部会と本シンポジウムの開催にあたり御援助と暖かい御声援をいただいた多くの企業・団体に謝意を感謝いたします。なお、第30回のシンポジウム(実行委員長、豊橋技術科学大学、高橋由雅先生)は、2002年11月中旬に豊橋にて開催予定である。(徳島大学・中馬寛)構造活性相関講習会2001報告構造活性相関研究会主催の第3回講習会として「構造活性相関講習会2001」を以下のように開催しましたのでご報告致します。今回は「3D-QSARの基礎と応用」をテーマに、初心者や専門外の方から創薬研究に従事されている研究者まで幅広い層を対象に、3D-QSARの基本的な考え方から最近の応用事例まで5つの演題について、それぞれ第一線でご活躍の先生方に解説して戴きました。また、講演後の質疑やミキサーでは活発な意見交換が行われました。講師の先生方、参加者の皆様、協賛戴いた関連学会ならびにご支援、ご協力を戴いた皆様に厚く御礼申し上げます。-12-SARNewsNo.2(Mar.2002)1.開催日時:平成13年10月20日(土)10:30~17:502.開催場所:北里大学薬学部1501講義室(東京都港区白金5-9-1)3.参加人数:75名4.テーマ:創薬科学における3D-QSARの基礎と応用5.講師および演題(敬称略):(1)船津公人(豊橋技術科学大学)「3D-QSARの基礎」(2)藤原英明(大阪大学)「疎水場を含めた3D-QSARのパラメータ」(3)中馬寛(徳島大学)「3D-QSARの実際と限界」(4)大田雅照(中外製薬)「医薬分野への3D-QSARの応用」(5)赤松美紀(京都大学)「農薬分野への3D-QSARの応用」(北里大学・広野修一,日本曹達・中山章)////お知らせ/////***********************************第30回構造活性相関シンポジウム***********************************主催:日本薬学会構造活性相関部会共催:日本化学会,日本農芸化学会,日本分析化学会,日本農薬学会日時:平成14年11月12日(火)・13日(水)会場:ホテル日航豊橋(ホリディシアターA及びホリディホール)[豊橋市藤沢町141]交通:JR豊橋駅西口よりシャトルバスで約10分特別講演松本和男(日本医薬情報センター)「わが国の製薬産業と医薬品情報の現状」討論主題(1)QSAR基本パラメータ・手法(2)医農薬等への応用(3)3D-QSAR(4)吸収・分布・代謝・毒性・環境毒性とQSAR(5)コンビナトリアルケミストリーと創薬(6)バイオインフォマティクス(7)QSARの情報数理的アプローチ(8)医農薬等分子情報処理(データベースを含む)(9)その他情報化学討論会との共通ポスターセッション:「分子構造情報からのデータ予測」(ポスター発表のみ)発表形式:口頭(講演25分または15分,討論5分を含む)またはポスター。発表申込:7月19日(金)締切[必着]。E-mailまたは郵送により受付。講演要旨:9月27日(金)締切[必着]。A4版用紙で和文または英文2または4ページ,英文半ページ。執筆要項は発表申込み受理後にお知らせします。参加登録予約申込:10月11日(金)締切[必着]。*発表申込、参加登録および送金方法などの詳細については本文末のURLをご覧下さい。参加登録費(情報化学討論会と共通):[一般]予約8,000円,当日9,000円;[学生]予約3,000円,当日4,000円。要旨集前送希望の場合は郵送料1,000円を別途申し受けます。尚、費用振込み後の参加取消しによる返金には応じられませんので了承願います。懇親会(情報化学討論会と合同):11月12日(火)ホテル日航豊橋にて。会費:[一般]予約6,000円,当日8,000円[学生]予約4,000円,当日6,000円連絡・問合せ先:〒441-8580豊橋市天伯町雲雀ヶ丘1-1豊橋技術科学大学知識情報工学系高橋由雅Tel:0532-44-6878,Fax:0532-44-6873,E-mail:qsar30@mis.tutkie.tut.ac.jpURL:http://www.mis.tutkie.tut.ac.jp/qsar30/-13-SARNewsNo.2(Mar.2002)**********************************************************************構造活性相関講習会02「創薬科学における構造生物情報の特徴と活用」**********************************************************************主催:日本薬学会構造活性相関部会協賛:日本化学会、日本農芸化学会、有機合成化学協会、日本分析化学会、日本農薬学会、近畿化学協会、CombinatorialChemistry研究会日時:平成14年6月28日(金)10:30-17:30会場:コープイン京都207号室[京都市中京区柳馬場蛸薬師上ル(TEL:075-256-6600)]交通:JR京都駅より市バス(4.14号系統)「四条高倉(大丸前)」下車、徒歩10分.地下鉄四条駅(地下より13番出口)又は御池駅(地下より5番出口)、阪急烏丸駅(地下より13番出口)より徒歩約10分.(http://www.univcoop.or.jp/faculty/kyouto.html)午前(10:35-12:35)1)結晶構造を利用したレセプター構造モデリング(サントリー生有研・石黒正路)2)ドッキング手法によるリガンド・レセプター複合体モデリング(ファルマデザイン・米田照代)午後(13:50-17:40、総合討論30分含む)3)分子動力学法の分子デザインへの応用(北里大学薬学部・広野修一)4)NMRを用いたリガンド・蛋白質相互作用解析(産総研・JBIRC・高橋栄夫)5)X線結晶解析によるリガンド・蛋白質相互作用解析の創薬への応用(キリンビール・黒木良太)*講習会終了後、講師を囲んで簡単なミキサーを開催します(18:00-無料)。参加費:一般=5,000円、学生=3,000円申込締切:平成14年5月31日(金)(必着、定員(70名)なり次第締切)申込方法:氏名、所属、連絡先(住所、電話・FAX番号、電子メール)を明記の上、電子メール、FAX、または郵便にてお申し込み下さい。参加費は銀行振込(三井住友銀行南千里支店、普通預金、口座名:構造活性相関講習会02代表藤原英明、口座番号:0887678)または郵便振替(口座名:構造活性相関講習会02、口座番号:00980-2-99001、通信欄に参加者氏名、所属を記入)にて事前にお振込下さい。申込先・問合せ先:sar2002k@sahs.med.osaka-u.ac.jp、〒565-0871吹田市山田丘1-7大阪大学医学部保健学科医用工学講座藤原英明TEL/FAX:06-6879-2573、〒618-0024大阪府三島郡島本町若山台1-1(財)サントリー生物有機科学研究所石黒正路TEL:075-962-3742,FAX:075-962-2115e-mail:ishiguro@sunbor.or.jp-14-SARNewsNo.2(Mar.2002)-15-構造活性相関研究会について沿革と趣旨本研究会は構造活性相関懇話会として、1975年5月京都において第1回シンポジウムを開いたのが始まりである。1975年度は2回のシンポジウムを開催し、以降1978年までは依頼講演4~5件、半日の簡素な形式であった。1980年より一般講演を募集し、年1回の構造活性相関シンポジウムが関係諸学会の共催の下で開かれるようになった。1993年より同シンポジウムは日本薬学会医薬化学部会の主催の下、関係学会の共催を得て行なわれることとなった。1994年より構造活性相関懇話会の名称を同研究会と改め、シンポジウム開催の実務担当グループとしての役割を果たしている。1975年当時、関係する領域における科学技術のめざましい発展にともなって、医農薬を含む生理活性物質の構造活性相関と分子設計に対する新しい方法論が国内外に台頭してきた。このような情勢に呼応するとともに、研究者の交流と情報交換、海外諸国における研究の紹介、および国内における研究発表と方法論の普及の場を提供することを目的に設立された。以来、懇話会として構造活性相関シンポジウムの実行支援のほか、南江堂より、化学の領域増刊122号:薬物の構造活性相関(ドラッグデザインと作用機作研究への指針)、および同増刊136号:同第二集(ドラッグデザインと作用機作研究の実際)をそれぞれ1979年と1982年に編集、出版するとともに、構造活性相関講習会を開催するなど設立の趣旨に応じた活動を進めている。編集後記お蔭様でSARNewsも約束どおりNo.2を発行することができました。ご多忙の中、原稿執筆をお引き受け頂きました皆様には心からお礼申し上げます。今年は桜の開花も全国的に平年より1週間以上も早いとのこと、ニュースレターが配信されるころには満開のところも多いことかと思います。報告欄にもありますように、当研究会を中心に設立準備をすすめてまいりました薬学会新部会「構造活性相関部会」が本年4月1日から発足の運びとなりました。これに伴い、本ニュースレターは新年度からは部会情報誌としての役割を担うこととなり、発行元も日本薬学会構造活性相関部会となります。発行形態は今まで同様に電子ニュースレターの形で皆様に配信させていただく予定です。編集委員一同、桜の開花エネルギーを吸収しながら引き続き内容の充実に努めて行きたいと考えております。皆様のご協力、ご支援をお願いする次第です。(高橋)SARNewsNo.2平成14年3月31日発行:構造活性相関研究会(代表幹事:寺田弘)SARNews編集委員会(委員長)藤原英明石黒正路黒木保久高橋由雅淀光昭*本誌の全ての記事、図表等の無断複写・転載を禁じます。<問合せ先:sar-news-admin@mis.tutkie.tut.ac.jp>