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SARNews No.15

SARNews_15

構造活性相関部会・ニュースレター<1October,2008>SARNewsNo.15「目次」/////Perspective/Retrospective/////Fragment-BasedDrugDiscovery:その概念と狙い田中大輔・・・2/////CuttingEdge/////Biacoreによる標的タンパク質-低分子化合物相互作用解析のFBDDへの応用梶原大介、森本香織・・・8X線によるFragment-BasedScreening山野昭人・・・13FBDDのためのinsilicoアプローチ高橋理・・・17/////Activities/////<報告>構造活性フォーラム2008「標的蛋白質志向のケミカルバイオロジーと構造活性相関」開催報告久保寺英夫・・・21SARPromotionAward平成20年度受賞者米田照代・・・22<会告>第36回構造活性相関シンポジウム・・・23第8回薬物の分子設計と開発に関する日中合同シンポジウム・・・28SARNewsNo.15(Oct.2008)/////Perspective/Retrospective/////Fragment-BasedDrugDiscovery:その概念と狙い大日本住友製薬化学研究所田中大輔1.はじめに低分子医薬品の創製において、クオリティーの高いリード化合物を効率よく見出す過程は、研究そのものの運命に大きな影響を与える極めて重要な第一歩である。現在のリード探索の主流はHighThroughputScreening(HTS)であり、製薬各社はそのインフラ整備と運用に大きな予算を割いている。しかし近年、創薬の対象となる治療標的―例えばタンパク-タンパク相互作用の阻害など―が難しいものとなる傾向もあり、HTSから得られるアウトプットが必ずしも満足行くものではないとの意見が聞かれるようになってきた。Fragment-BasedDrugDiscovery(FBDD)は、従来のHTSでは通常用いられることのない構造的にシンプルで小さな化合物(フラグメント)のスクリーニングを起点とし、創薬リードとして高いクオリティーをもつ化合物へと展開する新しい創薬方法論である[1,2]。HTSで有望なリード化合物を見出すことができなかったケースであっても、FBDDが有効な場合が多く報告されている。そのためFBDDはHTSと相補的なリード探索手法として大きな注目を集め、欧米を中心にFBDDをテーマにした学会なども開かれるようになっている。国内製薬各社においても、独自にFBDDを実践する動きが見られるほか、内外のFBDD企業とのアライアンス締結を行うケースが増えてきているように感じられる。非常に近い将来、FBDDが一気にその存在感を増大させる雰囲気が出てきた。本稿では、FBDDの基礎概念を解説しながら、その狙いを考えてみたい。最初に、フラグメントとはどういったものなのか、そしてフラグメントを創薬の出発点として用いる利点を解説する。続いて、フラグメントスクリーニングについて簡単に触れ、スクリーニングヒットの選択過程におけるFBDD独特の考え方を紹介する。最後に、ヒットフラグメントからリードへの展開を報告されている実例を示しながらまとめへと繋げたい。2.なぜフラグメントか?FBDDで定義されるフラグメントとは、簡単に言うと分子量300Da以下で、ある程度水溶性が期待できる分子である。従来のHTSで通常用いられるドラッグライクを意識した化合物と見比べれば、それらを2つないし3つに分割した断片程度のシンプルで小さな化合物である。更に詳しく定義するには、LipinskiのRuleofFiveに模したRuleofThree(分子量<300Da、cLogP≤3、水素結合供与体数≤3、水素結合受容体数≤3、回転可能結合数≤3、極性表面積≤60Å2)が提唱されている[3]。FBDDは、ドラッグライクな分子に比べて小さく脂溶性の低い分子を集め(フラグメントライブラリー)、これをスクリーニングによって創薬標的タンパクとの結合親和性を評価することから始まる(フラグメントスクリーニング)。では、何故わざわざ一から新しくフラグメントライブラリーを構築してまでも小さな分子に注目するのであろうか?その理由には、①ケミカルスペース(chemicalspace)の網羅性、②特異的結合のしやすさ、③合成展開に伴う分子量と脂溶性の増大、が挙げられる。化合物の分子量が大きくなるにつれて、ケミカルスペースは指数関数的に膨れ上がる。非常に大雑把な話ではあるが、ドラッグライクな分子量(~500Da)でのケミカルスペースは1060にも上ると言われている[4]。しかし、HTS用に整備されているライブラリーはせいぜい106程度の規模であり、その網羅性は小さい。一方、フラグメントサイズのケミカルスペースは、比較的少数(数千個程度)の化合物ライブラリーをスクリーニングすることによって効率よくカバーできると言われている[5]。そのためか、フラグメントスクリーニングのヒット率はHTSのそれに比べて高く、5–10%と言われる。-2-SARNewsNo.15(Oct.2008)-3-Hannらによるシミュレーション研究の結果をFigure1に示した。横軸にはリガンド分子の複雑さ(大きさと理解して良いだろう)、縦軸には後述するイベントの確率(下線)を示している[6]。赤線はリガンドとタンパクの結合を観測できる確率を表しており、これには非特異的あるいは非効率的な相互作用も含まれている。分子量が増大するにつれて、その確率は高まることが分かる。一方、緑線はリガンドがタンパクと特異的に....相互作用する確率を示しており、小さな分子量で極大を迎えている。比較的分子量の大きいドラッグライクな分子(HTS用ライブラリーに含まれる化合物)は、その構造の複雑さゆえヒットしたとしても分子の大きさのわりに効率の悪い結合様式をしているか(後述)、あるいは非特異的な相互作用をした(promiscuousな)結合による場合が多いと考えられる(Figure2)。一方、小さな分子は特異的な相互作用をする確率が高く、加えて標的タンパクの薬物結合部位に存在する小さなポケットを丹念に探索できると想像できる。そして結合親和性を示すフラグメントは小さな分子を最大限に使って相互作用しているであろう(後述)。これがフラグメントを用いることの2つ目の利点である。A)HTSヒット化合物からの構造最適化イメージB)フラグメント化合物の結合イメージFigure1.Hannによるシミュレーション[6]Figure2.HTSヒットとフラグメント事実、HTSでは分子量が大きく脂溶性の高い分子がヒットとして見出されるケースが多いと指摘されている[7]。ヒット化合物からリード化合物そしてリードから開発候補化合物への構造最適化過程では、多くの場合、分子量と脂溶性の増大が伴うことがよく知られている。合理的なドラッグデザインを提案し、実際に合成する化合物数の抑制に寄与するStructure-BasedDrugDesign(SBDD)であっても、分子を拡大(官能基を付与し、新たな相互作用を獲得)していく方向へのサジェスチョンを与える場合が多い。そのためHTSヒットのように、分子サイズが大きく脂溶性が高い化合物を合成展開の起点にすると、RuleofFiveの各要素の上限までに大きなゆとりはなく、結果として大きく水溶性に乏しい化合物に行き着いてしまう傾向が強い(Figure3)。これはRuleofFiveが提唱されて以来、多くのメディシナルケミストの苦悩の一つでもある。なぜならば、分子量の増大が生体内利用率(BA)の悪化をもたらすのみならず、脂溶性の過度な増大は様々な生体内分子に非特異的に結合するリスクが高まり、体内動態の変化や思わぬ副作用の原因になりかねないからである[8]。また、リガンドとタンパクの結合親和性はリガンドが大きくなるにつれて増大するが、やがてプラトーに達することが知られている(Figure4)[9]。これは大きな分子量のリード化合物から活性向上を試みるよりも、小さな分子量のリード化合物からの構造最適化の方が効率よく活性向上を実現できると期待させるものである。FBDDでは、活性は弱いが特異的かつ効率よく結合している小さな分子を起点にすることによって、分子量を増大させながら物性の変化に十分配慮しつつも自由度の高い合成展開が可能になると考えられる(Figure3)。SARNewsNo.15(Oct.2008)フラグメント理想的な最適化化合物大きく水溶性に乏しい化合物6005004003002001001mM1μM1nMHTSヒット活性分子量(Da)Figure3.構造最適化における活性強度と分子量の関係Figure4.リガンド分子の大きさと結合の自由エネルギーの関係[9]3.フラグメントスクリーニングこのように創薬の起点として魅力的なはずのフラグメントスクリーニングは、なぜ最近まで行われてこなかったのだろうか。もう一度Figure1を見ていただきたい。前項では説明しなかった黄線は、赤線および緑線で表された確率の積であり、リガンドとタンパクの特異的な相互作用をスクリーニングで見いだせる確率を表している。これも小さめの分子量で極大を迎えているが、その確率は非常に小さい。これは一般に小さな分子量のリガンドのタンパクに対する結合親和性が小さいことに起因する。そのため、通常の薬理学的な評価法では、フラグメントとタンパクの結合(に基づく薬理作用)を正確に評価することは困難である。そこで、フラグメントは非常に鋭敏な生物物理学的手法でスクリーニングされる。代表的なものは、X線結晶構造解析、核磁気共鳴(NMR)、表面プラズモン共鳴(SPR)である。また、これらのスクリーニングの前にinsilicoスクリーニングによる有望フラグメントの絞込みを行うことができる。近年のこれらの目覚しい技術進歩がフラグメントスクリーニングを可能にし、FBDDを実践的なレベルにまで押し上げたと言えるだろう。それぞれのスクリーニング手法には長所短所があり、それらをよく理解し上手く組み合わせることがポイントである。各スクリーニング法の詳細に関しては、本号後続の解説を参照願いたい。4.ヒットフラグメントの選択HTSでヒットした複数の化合物からリード候補として優れたものを選択する際に注目すべき項目はいくつかある。活性強度、選択性、構造的新規性(特許性)、溶解性などの物性、代謝安定性などの初期薬物動態、合成展開による拡張性などが挙げられる。しかし、フラグメントスクリー-4-SARNewsNo.15(Oct.2008)ニングでのヒット(ヒットフラグメント)の段階では、それらの項目全てを吟味するのは早い。そこでFBDDでは、(見かけの)結合親和性強度よりむしろ、分子の大きさあたりの活性強度を見積もったリガンド効率(ligandefficiency)に着目する。広い意味でのリガンド効率は、分子の大きさあたりの結合親和性強度を見積もったものであり、具体的には結合の自由エネルギー(ΔG)を水素以外の原子数(重原子数)で割った値である(リガンド効率指数;ligandefficiencyindex)[10]。ΔGは、正確には等温滴定カロリメトリー(ITC)などを用いて測定する必要があるが、活性値(IC50)から近似的に求めることもできる。ヘテロ原子やハロゲン原子と炭素原子を同等に扱う重原子数では必ずしも分子の大きさを表現していないかもしれないという指摘もある。そこで分子の大きさの表現をより現実的にかつ簡便に表現したうえでリガンド効率を定義するものとして、結合効率指数(BEI)、パーセント阻害効率指数(PEI)、表面結合効率指数(SEI)が提案されている(Table1)[11]。結合親和性強度を表現する項目としてより身近な任意の濃度での阻害率やIC50値、そして分子の大きさを表す指標として分子量あるいは極性表面積(PSA)が採用されている。これらに関しても複数を同時に鑑み、ヒットフラグメントの選択を遂行することが推奨されている。Table1.各種リガンド効率リガンド効率指数(LigandEfficiencyIndex;LEI)LEI=水素以外の原子数自由エネルギー(ΔG)結合効率指数(BindingEfficiencyIndex;BEI)BEI=分子量()活性(、、)kDapKipKdpIC50パーセント阻害効率指数(PercentEfficiencyIndex;PEI)PEI=分子量()阻害活性()kDa%inhibition表面結合効率指数(Surface-bindingEfficiencyIndex;SEI)SEI=極性表面積()活性(、、)250ÅpKipKdpICHajdukは、フラグメントから理想的な構造最適化を経てリード化合物へ至る過程であっても、活性の増大と相反してリガンド効率は低下する傾向にあることを報告している[9]。従って、あらかじめ高いリガンド効率をもったヒットフラグメントを選択することが重要なポイントとなる。例えば、分子量が500Daで10nMのIC50を示す化合物を目標とした場合、そのBEIは16と計算される。従ってこの場合、合成展開の起点となるフラグメントはBEIが16を上回るものに注目すべきである。5.ヒットフラグメントからリードへの合成展開高い結合効率を示していたとしてもヒットフラグメントの結合親和性(活性)は通常非常に弱く、それ以外にも様々な観点(薬物動態、特許性など)からリード化合物と呼ぶにはあまりにも未熟である。ここからはメディシナルケミストによる合成化学的な展開が行われる。その手法として便宜的にいくつかに分類されて提案されているが、厳密に分類することに大きな意味はなく、上手く組み合わせて研究を進めることが重要である。共通して言えることは、ヒットフラグメントと標的タンパクの結合に関する構造情報(結晶解析またはドッキングシミュレーション)は合理的な展開に極めて重要である。①Fragment-Linking標的タンパクの隣接するポケットに結合する複数のヒットフラグメントが選択された場合、適切なリンカーを介してフラグメント同士を結合させるFragment-Linkingが魅力的な手法である(Figure5)。親和性の弱いフラグメント同士を結合させることにより飛躍的に活性が向上することがある(superadditivity)[12]。しかし、この方法は考えるよりも困難を伴う。それは、フラグメントおよびリンカーの歪みやタンパクとの静電的・立体的反発が生じることなくそれぞれのフラグメントの結合様式を再現することが必要とされるためである。そもそも、ケミカルスペースの網羅性はHTSに比べて良いとはいえ、Fragment-Linkingを実施するのに都合のよい(互いに近すぎず遠すぎず適した相対配置の)フラグメントペアを見出すことは容易ではない。-5-SARNewsNo.15(Oct.2008)OCNCNFigure5.Fragment-Linkingの模式図とMMP-3阻害剤への適用例[13]②Fragment-Merging結合に際して同一のポケットを共有するヒットフラグメントが見つかった場合は、それらを部分的に重ね合わせ融合させるFragment-Mergingが行われる。一般的に言われるハイブリッド化と同じ考えである。同一のポケットという非常に小さな空間を対象とするため、フラグメント同士の空間的重なりや化学的な相同性が高い場合が多く、Fragment-Linkingよりも活用できる場面は多いと思われる。また、ヒットフラグメント同士ではなく、ヒットフラグメントと既知のリガンド(HTSヒットや公知の阻害剤など)とのハイブリッド化は、短時間に高活性と構造的新規性を獲得するのに有効な手段となりうる。Figure6.Fragment-Mergingの模式図とUrokinase阻害剤への適用例[14]③FragmentGrowth(FragmentEvolution)FragmentGrowthは、単独のヒットフラグメントからの通常のメディシナルケミストリーを展開するものである。単独のフラグメントであっても標的タンパクと効率よく相互作用していることから、リード分子のコア構造として好ましく、合成展開により構造的な無駄の少ないリードへ導きやすいと考えられている。また、フラグメントはその構造的シンプルさゆえ、購入による類縁化合物の入手が容易であり、初期のSAR獲得やFragmentGrowthはスピーディーに行うことができる。Figure7.FragmentGrowthの模式図とPKB阻害剤への適用例[15]MeNHOHHOOOHN+HO1Mw:75Kd=17mM2Mw:209Kd=0.02mM3Mw:296Kd=0.000015mM(15nM)+ClClClClOOHOHOOOHO+O4Mw:267IC50=150μM5Mw:266IC50=75μM6Mw:335IC50=10μMHNNH2HNNHNNHNClN7Mw:144IC50=135μM8Mw:201IC50=3μM9Mw:338IC50=0.018μM-6-SARNewsNo.15(Oct.2008)-7-ヒット化合物からの合成展開では、活性の増大のみならず、初期からリード化合物として好ましい物性を保持させることに注意を払うべきである。このためフラグメントからのhit-to-lead研究は、リガンド効率の変化に注意を払い、付加される分子量に見合った活性の向上を検証しながら進められる。医薬品分子として重要な(最低限の)水溶性に関しては、フラグメントライブラリーを集める段階で考慮されており、フラグメントの優位性のひとつである。こういった考え方はFBDDのみに留まらず、いかなるスクリーニング手段(HTSなど)を起点とした医薬品化学研究においても今後重要視されるはずである。6.まとめこのように、リガンド効率に代表されるFBDDに包含された概念や哲学とも言えるものが今後の医薬品化学研究をはじめとする創薬研究全般に与える影響は大きいと、私は考えている。FBDDでは、フラグメントライブラリーの構築段階から化合物の水溶性を重要視し、分子の大きさあたりの結合親和性(リガンド効率)評価を経て、構造的に無駄が少なく特異的に結合した化合物を厳選する試みがなされている。その結果、FBDDが有望なリード化合物を見出す実例が多く報告され始め、創薬研究の現場ではHTSと相補的なリード探索手法としての地位が築かれつつある。FBDDは、HTSを出発点とする従来の創薬を隅に追いやり凌駕するというものではなく、既存の創薬手法とのシナジーを生み出す創薬方法論である。そして好ましいリード化合物らしさ(lead-likeness)に対する強い意識をもう一度研究者に促していると感じられる。参考文献1.a)Erlanson,D.A.etal.J.Med.Chem.2004,47,3463-3482.b)Rees,D.C.etal.NatureRev.DrugDiscov.2004,3,660-672.c)Jahnke,W.;Erlanson,D.A.(Ed.)Fragment-basedApproachesinDrugDiscovery,Wiley-VCH,2006.d)Hajduk,P.J.;Greer,J.NatureRev.DrugDiscov.2007,6,211-219.e)Congreve,M.etal.J.Med.Chem.2008,51,3661-3680.2.a)田中大輔、ファインケミカル、2007、36(7)、32-40.b)田中大輔、創薬支援研究の展望(鳥澤保廣監修)、2008年、第1編、第10章.c)田中大輔、PharmaVISIONNEWS、2008、12、印刷中.3.Congreve,M.etal.DrugDiscov.Today2003,8,876-877.4.Bohacek,R.S.etal.Med.Res.Rev.1996,16,3-50.5.Keserű,G.M.;Makara,G.M.DrugDiscov.Today2006,11,741-748.6.Hann,M.M.etal.J.Chem.Inf.Comput.Sci.2001,41,856-864.7.Teague,S.J.etal.Angew.Chem.,Int.Ed.1999,38,3743-3748.8.a)Leeson,P.D.;Springthorpe,B.NatureRev.DrugDiscov.2007,6,881-890.b)Gleeson,M.P.J.Med.Chem.2008,51,817-834.9.Hajduk,P.J.J.Med.Chem.2006,49,6972-6976.10.Hopkins,A.L.etal.DrugDiscov.Today2004,9,430-431.11.Abad-Zapatero,C.;Metz,J.T.DrugDiscov.Today2005,10,464-469.12.Olejniczak,E.T.etal.J.Am.Chem.Soc.1997,119,5828-5832.13.Hajduk,P.J.etal.J.Am.Chem.Soc.1997,119,5818-5827.14.Nienaber,V.L.etal.Nat.Biotechnol.2000,18,1105-1108.15.Saxty,G.etal.J.Med.Chem.2007,50,2293-2296.SARNewsNo.15(Oct.2008)/////CuttingEdge/////Biacoreによる標的タンパク質-低分子化合物相互作用解析のFBDDへの応用GEヘルスケアバイオサイエンス株式会社梶原大介、森本香織1.はじめに近年、Fragment-BasedDrugDiscovery(FBDD)は医薬品探索における一つの手法として注目され、HighThroughputScreening(HTS)と並ぶ手法として確立されつつある。フラグメントライブラリーのスクリーニングには、結合状態を直接解析できるX線結晶構造解析やNMR法が用いられる[1,2]。しかし、数千から数万程度のフラグメントライブラリーを対象とした場合、スループットが十分でないことや、標的蛋白質の使用量に伴うコスト的な問題点を有している。Biacoreは、表面プラズモン共鳴(SurfacePlasmonResonance、以下SPR)を測定原理として用い、標的分子を標識することなく、少量のサンプルで高感度にその分子間相互作用を評価する事の出来る手法である。本手法は、スループット、サンプル消費量の問題が解決されるだけではなく、結合の特異性、アフィニティー・カイネティクスなどの情報を簡便に取得できる事から、NMRやX線結晶構造解析と合わせてFBDDの評価法の一つとして組み込まれつつある[2,3]。本稿では、低分子医薬品のデザインにおけるSPRの活用事例を示しながら、SPRのFBDDにおける利点や今後の可能性に関して議論したい。2.SPRを用いた蛋白質と低分子化合物の相互作用測定Biacoreは、2分子間の結合、解離に伴うセンサーチップ表面での質量変化をシグナルとして検出する。標的分子への標識を行うことなく、分子間の相互作用解析が可能である。そして、近年のBiacoreテクノロジーの進歩に伴い、数100Daの低分子化合物の結合に伴う非常に小さな質量変化を高感度に検出できるようになった。これにより、ターゲット蛋白質への低分子医薬品の結合を生物物理的な観点からデザイン、スクリーニングできる手法として、多くの製薬企業、研究機関で採用されている[3]。Biacoreを用いた、ターゲット蛋白質に対する低分子化合物間相互作用解析においては、アフィニティー(Howstrong?)、カイネティクス(Howfast?)に加えて、結合特異性(Whatpart?)、Thermodynamics(Whythatfast?)という情報を取得する事が出来る。ここでは、それらの情報を取得する際のアッセイ方法に関して述べる。Affinity–Kinetics-ThermodynamicsAffinity1mM100mM10mM1mM100nM10nM1nM100pMEquilibriumHowstrong?2-4-3-2-1034567log(kd)log(ka)1nM10nM100nM1μM10μM100μM1mM100pMRatesofcomplexformationanddissociationHowfast?Kinetics1*1051*1061*107275285295305Temp(K)ka(M-1s-1)ka0.01275285295305kds-1Temp(K)0.10.001kdWhythatfast?VarytemperatureLeadseries-8-SARNewsNo.15(Oct.2008)2-1)アフィニティー、カイネティクス解析SensorgramBindingresponseTimeResponse(RU)baselinebuffersampleassociationbufferdissociationImmobilizedtargetCompoundXBindinglatereportpointターゲット蛋白質に対する低分子化合物の結合スクリーニングを行う際には、ターゲット蛋白質をセンサーチップと呼ばれる基板上に固定化する。蛋白質の性質に応じて様々な固定化方法を選択することが出来る。そして、蛋白質と相互作用する低分子化合物を添加した場合、その結合/解離に伴う分子量変化に応じてレスポンスがリアルタイムに変化する(BiacoreではレスポンスをResonanceUnit:RUで表す)。このレスポンスの経時変化をセンサーグラムと呼ぶが、このセンサーグラムの立ち上がり、立ち下がりから結合速度定数(ka)、解離速度定数(kd)、解離定数(kd/ka=KD)を求める事ができる。既に、カイネティクスによる低分子化合物の分類が薬理効果の予測に有効であることが報告されている[4]。また、解離が非常に早い(アフィニティーの弱い)フラグメントであっても、その濃度を変化させることによって解離定数(KD)を算出する事ができる。横軸に、フラグメントの濃度、縦軸に、各フラグメント濃度におけるセンサーグラムのレスポンスをプロット(平衡値プロット)することによって算出する。2-2)結合の特異性評価センサーチップに固定化した蛋白質の分子量と固定化量、低分子化合物の分子量、結合価数に応じて、低分子化合物が結合したときの最大結合レスポンス(Rmax)が決まる。例えば、分子量20kDaのターゲット蛋白質と分子量200Daの低分子化合物が1:1で結合する場合を考える。ターゲット蛋白質が7000RU固定化されている場合、低分子化合物が結合したときの最大結合レスポンス(Rmax)は70RUとなる。結合が特異的であれば、平衡値プロットのレスポンスは、Rmaxの近くに収束する。非特異的な結合では、プロットのレスポンスは、Rmaxを超え、収束しないことが多い。このように、平衡値プロットにより、ある程度結合が特異的に起こっているかを評価する事は可能である[3]。Multipleconcentrations:-1001020304050607080-50050100150200250TimesRUG03050100200G03Conc(μM)1500204060Response(RU)MB1A022004006001000Conc(μM)08000204060Response(RU)RmaxRmax1:1bindingsuperstoichiometricbindersphysiologicalsiteNonspec.site++==subtractnonspecificbinder++==specificbindersubtractNativeandblockedtargetimmobilizedonadjacentspots.Signalfromblockedtargetsubtracted一方で、より生化学的な手法を用いてアッセイ系を構築する事により、低分子化合物が予測される結合ポケットに結合しているかどうかを、より直接的に特定する事が出来る。ここには、野生型のターゲット蛋白質と、その結合ポケットをブロックした変異体での特-9-SARNewsNo.15(Oct.2008)異性の評価例を示す。Biacoreのセンサーチップには、ここに示すように複数のターゲット蛋白質をパラレルに固定化できる。これらの2種類のターゲット蛋白質に対して同一の低分子化合物を結合させる事により、目的の結合ポケットに特異的に結合する化合物を簡便に選択することが出来る[3]。2-3)熱力学的評価温度変化に伴う、結合速度定数(ka)、解離速度定数(kd)、解離定数(KD)の値より、結合の遷移状態及び平衡状態のエンタルピー変化(⊿H)、エントロピー変化(T⊿S)、自由エネルギー変化(⊿G)を求める事が出来る。これらの情報は、その結合に関与している水素結合、疎水結合、構造変化の情報を与えてくれる。これらの特異的な残基や構造要因に基づく構造活性相関(SAR)はFBDDの基盤となる情報であるが、ターゲット蛋白質の変異体の解析や、異なる低分子化合物の解析などと組み合わせることにより、これらの情報を取得する事が可能である。例えば、同様のアフィニティーを持った結合であっても、水素結合が規定する結合なのか、疎水的結合が規定する結合なのかによって、⊿Gを与える⊿H、-T⊿Sの構成比は全く異なる。FBDDでは特に、ターゲット蛋白質のポケットに特異的に結合する、水素結合駆動型のスカフォールドの選択が重要であるといわれている。このように、単なるアフィニティーのみではなく、熱力学的パラメータまで分解することで、その化合物が真に求めるものなのかを理解する事が出来る。Biacoreを用いた測定においては、少量のサンプルで測定が出来る事、遷移状態のエネルギー変化を追うことが出来るなど、カロリーメーターに対するメリットもある。Biacoreを用いた熱力学的測定の詳細に関しては様Freeenergy(G)ΔG(∝1/KD)Kinetics-basedthermodynamicsprovideshigherresolutiondataΔGon(∝1/kon)ΔGoff(∝1/koff)KineticsresolvesfreeenergiesseparatelyforbindinganddissociationInteractioncoordinateΔG=ΔH-TΔSΔGdependsonchangesinbothenthalpy(H)andentropy(S)ΔGΔH-TΔSAΔGvaluecanresultfromdifferentcombinationsofenthalpyandentropyLabel-freecharacterizationresolvesthesedifferencesD+TDT*DTD=drugT=target々な論文で報告されているため、ここでは省略する[5]。3.FBDDにおけるSPRの役割前章で示したように、ターゲット蛋白質と低分子化合物の測定へのBiacoreでのアプローチにより、相互作用の様々な生物物理的な現象を短時間、低コストで確認できる。これは、構造情報を基にスカフォールドを設計するFBDDの手法には非常に有効な情報である[2,3]。3-1)フィルターとしてのBiacoreの役割フラグメントは、その性質上、分子量が150Da~300Daと小さく、ターゲット蛋白質とのアフィニティーは数十μM~数mMと弱い。それゆえ、薬理活性を示さないものがほとんどである。アフィニティーが弱いということは、結合に高濃度の低分子化合物を使用するため、擬陽性が増加する。よって、結合特異性を見分ける手法が必要となる。また、ライブラリー数の点から考えると、HTSのターゲットとなりうるケミカルスペースが1060と言われる中、FBDDの対象になる-10-SARNewsNo.15(Oct.2008)化合物は多くて107程度であるといわれている。ゆえに、少ないライブラリーでリード候補をカバーできる。これが、FBDDの大きなメリットの一つである。実際の創薬の現場では、数千化合物がフラグメントライブラリーの数となっている。これらのライブラリーから、ターゲット蛋白質の予測されるポケット特異的に結合するフラグメントを選択するのが、FBDDの最初の仕事となる。この最初の絞り込みにBiacoreが用いられる。ここにBicoreを取り入れたFBDDの一つのワークフローを示す。Fragmentlibrary(~2000)orlibrarysubsetFilterusinglabel-freeassay(Biacore™)HitsforX-raystructuralanalysisStructuralanalysisbycomputationalchemistrySelectavailablecompoundsorsynthesizenewones実際に、上記ワークフローでBiacoreを用いた場合、次のステップであるX線結晶構造解析のヒット率は格段に向上する。一例として、Maybridgelibraryの500フラグメントに対してThrombinをターゲット蛋白質とした際のBiacoreでの評価結果を示す[3]。2ステップ目に注目すると、ここではBiacoreA100を用い特異的なThrombinへの結合を効果的に実施すため、センサーチップ上の5スポットでの同時解析を行っている。500fragments480fragments20insoluble462fragments18sticky26fragmentsDissolveinDMSOPrescreenat0.9mM436belowcutoff(<5RU)SecondaryScreens(e.g.,X-ray)0-to0.9mMConcentrationseriesscreenBlockedGSTthrombinThrombinBlankdextranCarbonicanhydraseSpot12345結果として、Biacoreを用いる事により溶解性のある480フラグメントのうち、構造解析に持ち込むヒット化合物を26化合物にまで絞ることが出来た。注目すべきは、1:1でターゲットに結合していない、Thrombinのバインディングサイトへ特異的に結合していない、濃度依存性が見られないなどの、非特異的な結合を示すものが効果的に除かれている事である。アフィニティーが弱く、高濃度でのアッセイが要求されるFBDDにおいては、このような擬陽性を効率的に判断する手法は必須であると考えられる。この結果が示すように、Biacoreを用いることで、構造解析へ持ち込む化合物を効果的に絞込み、構造解析のヒット率を格段に上げる事が出来ると考えられる。-11-SARNewsNo.15(Oct.2008)-12-3-2)リードオプティマイゼーションとしてのBiacoreの役割前述のステップを経て選ばれたスカフォールドは、in-silicoの情報やX線結晶構造解析によるバインディングサイトの情報に基づき、Linking、Growing、Mergingといった方法で構造の最適化を行う[1,2]。ここには、有機化学合成の力が非常に大きなウェイトを示すが、合成した化合物の特異性、アフィニティーを迅速かつ高い精度で評価する必要がある。ここでも、Biacoreが大きな効果を発揮する。このステップにおいては、先述の様な“フィルター”としての目的ではなく、合成したリード化合物の“最適化”技術として用いられる。よって、ここでは前章で述べたような、ターゲット蛋白質とリード化合物との結合カイネティクスや、熱力学的パラメータの算出など、より詳細な解析法を用いる事になる。酵素活性測定や細胞アッセイ、結合反応に伴う熱量変化を直接測定できるカロリーメーターなどの手法と組み合わせた多面的な評価が実施される[1,2,4]。LE=0.24MW=281n-atoms=21LE=0.33MW=313n-atoms=22KD208μMLE=0.30MW=252n-atoms=19LE=0.58KD=58μMMW=135n-atoms=10NH2NHH2N05101520253035F10Bindinglevel(RU)NHH2NONH-505101520253035-50050100150200TimesResponseRUF10230?M050100150200Concentration(uM)Lowaffinityfragment208Mediumaffinityfragment62051015202530050100150200Concentration(uM)HN2NHNH2NHHighaffinityfragment01020304050F05050100150200Concentration(uM)5?M-50-30-10103050-50050100150200250TimesResponseRUF05NHONH2HNSμMμMμM4.まとめFBDDは未だ完全に統一されたスキームを持っているわけではない。また、ターゲット蛋白質やライブラリーの数によってもそのスキームは変わってくるだろう。しかし、NMRやX線結晶構造解析の技術革新が起こったとしても、FBDDのスキームを1つの技術のみで担保するのはリスクがあり、どのようなアッセイ系であっても異なる実験技術での結果の補完は必要であると考える。そのなかで、Biacoreは、複数ライブラリーからの絞込みの段階での“フィルター”としての役割と、リード候補化合物の“最適化”という2つの役割に対して、より簡便かつ高感度にアプローチすることのできる技術である。このように、FBDDの広いステップでBiacore技術が貢献できるものと確信している。5.参考文献[1]ReesDC,etal.,Fragment-basedleaddiscovery.Nat.Rev.DrugDiscov.2004,3(8),660.[2]HubbardRE,Fragmentapproachesinstructure-baseddrugdiscovery.J.SynchrotronRad.2008,15,227.[3]HämäläinenMD,et.al.,Label-freeprimaryscreeningandaffinityrankingoffragmentlibrariesusingparallelanalysisofproteinpanels.J.Biomol.Screen.2008,13(3),202.[4]CopelandRA,etal.,Drug-targetresidencetimeanditsimplicationsforleadoptimization.Nat.Rev.DrugDiscov.2006,5(9),730.[5]ShumanCF,et.al.,KineticandthermodynamiccharacterizationofHIV-1proteaseinhibitors.J.Mol.Recognit.2004,17(2),106.SARNewsNo.15(Oct.2008)/////CuttingEdge/////X線によるFragment-BasedScreeningファルマ・アクセス株式会社山野昭人1.はじめにFragment-BasedLeadDiscovery(FBLD)という概念が最初に示されて以来[1]、その実効性に関する議論や賛否はあるものの、FBLDは広く認知され、日本でも複数の製薬企業が何らかの形で取り組み始めているというのが現状であろう。欧米ではすでに第II相臨床試験に到達している化合物も複数存在している。FBLDの第一段階は、ターゲットタンパク質に結合するフラグメント化合物を検索する段階、すなわちFragment-BasedScreening(FBS)である。FBSを実行する分析手法として最初に用いられたのはNMRであるが[2]、その後X線構造解析、SPR、ITCなど他の手法も導入され、現在に至っている[3]。筆者は創薬の専門家ではなく、またすでにFBLD全般に及んだ素晴らしい解説も掲載されているので[4]、本稿では,Heatshockprotein90(HSP90)をターゲットとしたX線によるFBSの実際について記述する。X線構造解析の現状と、FBSにおける長所・短所をご理解いただければ幸いである。2.なぜX線なのかNMRと同様、最初にFBSにX線を用いたのもAbbottのグループである[5]。NMRに加えてX線構造解析を導入したのは、両者が相補的な関係にあるためである。余談だが、このときAbbottのビームラインで開発されたハイスループットシステムが、現在広く使われている全自動データ測定システム[6,7]の原型となっている。FBSにおけるX線構造解析の主な特徴は以下の通りである。・タンパク質側の構造変化に対応:化合物の結合によってタンパク質の構造が変化する場合も多い。結晶が崩壊しない範囲において、ループ→へリックスなど、主鎖を含む比較的大きな構造変化にも対応することができる(図1)。・幅広い占有率(濃度)に対応:X線構造解析でよく使われる手法に、差フーリエという手法がある。回折強度の実測値から分子モデルより計算した回折強度を差し引いた値(Fo-Fc)を係数としてフーリエ計算を行い、電子密度を算出する手法である。現在の分子モデルの不足分を検知するのに有効である。特に精度の高いデータが得られている場合には、占有率の低い化合物も検出することが可能である。図1.化合物の結合による主鎖の構造変化・非特異的結合の排除:活性部位を実際に「見て」結合の有無を判断するため、非特異的結合は自ずと排除される。・複数化合物の結合の検出:スクリーニングの初期段階では化合物のカクテルを用いることが多いため、異なる2種類の化合物が、もしくは同一化合物が別々の位置に結合する場合にも対応することができる。・立体的な構造最適化の指針の取得:結合の様子を実際に見ることができるため、構造伸張の方向や官能基の選択など、具体的な最適化の方針を得ることができる。・活性部位の形状と容積を検証:結合したフラグメント化合物を重ね合わせることにより、活性部位の形と大きさを実験的に検証することができる。-13-SARNewsNo.15(Oct.2008)Abbottに限らず、欧米の大手製薬企業では、NMRと同等あるいはそれ以上の重要性を持って、X線構造解析がリード探索に利用されている。偏った見方かもしれないが、残念ながら日本においては、他の分析手法に比べX線構造解析は敬遠されがちであるような印象がある。これは多分にX線構造解析の現状に対する認識に問題があるのではないだろうか。タンパク質構造解析という分野では二極化が進行している。大学や公的研究所で行われている、膜タンパク質に代表される巨大な複合タンパク質の新規構造を決定するのは、現代の技術をもってしても著しく困難である。しかしながらFBSや共結晶の解析に必要なX線構造解析は、専ら構造既知のタンパク質をターゲットとして行うものであり、専門知識もほとんど必要としない平易な分析手法となっている。また依然として、タンパク質構造解析=放射光という固定観念が存在するようだが、少なくともFBSに関する限り必ずしも放射光を必要とするわけではない。要素技術の進歩、特に人工多層膜ミラーの開発により、実験室系装置でも十分な強さのX線を利用できるようになってきたため、測定に必要とされる結晶サイズや測定時間は劇的に改善されている。3.実験室系装置によるFBSの実際X線によるFBSの実行には、化合物ライブラリーとX線構造解析システムが必要である。今回の実験に用いた弊社独自の化合物ライブラリーとハイスループットX線構造解析システムを紹介する。3-1.化合物ライブラリーFBSの利点の一つとして、比較的少ない化合物で広いケミカルスペースを探索できるという点が挙げられる。数が少ないということは非常に重要で、メンテナンスコストが抑えられるほか、比較的容易にライブラリーを構築できることにもなる。弊社で使用しているライブラリーは、特定のタンパク質を念頭に置かない汎用ライブラリーで、Ro3を満たす384化合物から成る。平均分子量は142Daである。その他、X線構造解析専用ライブラリーとして以下の特徴を備えている。・構造解析段階での便宜のため、混合物は異なる形状を持つ化合物が組み合わされている。・全ての化合物の座標(pdbおよびcif)と分子図(png)が付属。・単品は4枚の96ウェルプレートに、4化合物の混合物は1枚のプレートに収められている。単品の濃度は200mM、混合物の濃度は50mM/化合物のDMSO溶液となっており、直ちにソーキングに使用できる状態になっている。・合成段階の便宜を考え、試薬メーカー(主にSigma)から容易に購入できる化合物のみで構築されている。3-2.ハイスループットX線構造解析システムFBSを実用に耐えるスピードで実行するには、ハイスループットX線構造解析システムが必要である。ハイスループット化に必要なのは、強力なX線源と高速検出器である。今回使用した測定システムは、超高輝度X線発生装置FR-E、試料交換ロボットACTOR、Saturn944CCD検出器(何れも㈱リガク製)を構成要素とする、全自動X線構造解析システムである(図2)。このシステムでは、結晶の質にも依存するが、1日あたり12~60個のデータを測定することができる。構造解析も自動化されており、今回用いたMIFit7は、CCP4用の自動構造解析スクリプトを備えている。強度データをリストに登録するだけで、順次分子置換法と精密化を実行してくれるため、1ステップで電子密度を得ることができる。HSP90では1構造あたり3分で解析が終了する。図2.全自動X線構造解析システム(FBSシステム)-14-SARNewsNo.15(Oct.2008)3-3.FBSの実行X線によるFBSの実行は、化合物のソーキング→データ測定→構造解析(電子密度のチェック)の順に進める。フラグメント化合物のソーキングの第一ステップでは、結晶化ドロップから結晶をループですくい、化合物を含む溶液に結晶を移す。目的のソーキング時間が経過した後、抗凍結剤の入った溶液に再度浸し、結晶を凍結して回折データの測定に供する(図3)。ソーキングのパラメータとしては、化合物の濃度と時間がある。今回のソーキング時間は15分程度に統一した。分子量200Da程度の化合物は短時間で浸透し、結合することが知られている。したがってソーキングの時間は15分程度で十分と考えられる。逆に15分のソーキングで結合しない化合物はその時点で棄却しても差し支えないのではないだろうか。ソーキングの条件を検索すればヒット率は上げられようが、作業量が急激に増え実用性が下がる可能性がある。表1にHSP90を用いてFBSを実行した結果をまとめる。4化合物のカクテルを用い、96個の結晶についてソーキングから構造解析までを行った。図3.化合物のソーキングと結晶の凍結表1.HSP90を用いたFBSのまとめブロック測定結晶数測定成功数測定成功率(%)測定時間(H)化合物数ヒット数ヒット率(%)A121191.78.54412.3B121191.78.54412.3C1212100.09.04812.0D121083.37.54012.5E121083.37.54012.5F121083.37.54000.0G12975.06.83612.8H12433.33.01600.0計967780.258.330861.9構造解析まで成功したのは80%で、20%ほどが失敗したことになる。主な原因は、結晶サイズの不足、結晶性が低い、ソーキングによる結晶の劣化、および凍結の失敗などである。特にブロックHで成功率が低いが、終盤に近づくにつれ良い結晶が少なくなってしまったことによる。測定時間はデータ測定にかかった、おおよその時間を示している。実際には電子密度の評価を行う時間がプラスされる。今回のFBSは通算4日間ほどで終了することができた。X線によるFBSにかかる時間は、専らデータ測定のスピードに依存する。スケジュールを工夫すれば、ソーキングや構造解析はデータ測定と並行して進められるためである。図4は全てのヒットの重ね描きである(MIFit7)。HSP90の活性部位の大きさと形状が現われている。図4.全ヒットの重ね描き4.X線の適用範囲と問題点X線によるFBSに必須の条件は、ターゲットとするタンパク質の良質な結晶が数百個用意で-15-SARNewsNo.15(Oct.2008)-16-きることである。そのほかの要件としては以下がある。・ターゲットとなる活性部位に抗凍結剤や沈殿剤などが結合していないか、結合していてもバックソーキングなどで容易に取り除けることが必要となる。抗凍結剤については、PEGなど比較的分子量の大きな抗凍結剤を用いることにより問題を回避することも可能である。・X線によるダメージに弱い結晶は不向きである。特に結晶が小さく放射光を用いる場合には重要な条件となる。・DMSOによるソーキングに耐えられない結晶も不向きである。フラグメント化合物は基本的に小さい分子であるために、水溶性の高いものに限ることが難しい。通常はDMSOに溶解している場合が多いので、DMSOによるソーキングに耐えられる結晶でなければならない。上記のほかにも実際に実行して初めて直面する問題がある。X線構造解析の結果得られるのは電子密度である。電子密度の形状や濃淡を見てモデルを当てはめるのであるが、モデルの当てはめは実験者の判断による影響を受けやすい。この曖昧さを軽減するには、分解能を上げること、カクテルは形状の異なる化合物を混合することが必要である。また不規則構造や低い分解能などにより、ネットワークを形成している水分子の電子密度がつながって見える場合がある。環状構造を持たない、鎖状のフラグメントをソーキングした場合には、水と化合物の区別がつきにくくなる場合がある。これを避けるには、ソーキングをおこなっていない、いわゆるNative結晶の構造を高分解能で解析し、水のネットワークパターンを頭に入れておくと、間違いを避けられるうえにフラグメント化合物の結合の有無をすばやく判断することが可能となる。5.最後にX線によるFBSはX線構造解析主導のような印象を持たれるかもしれないが、成功のカギとなるのは、良質な結晶ができるように必要に応じてタンパク質を改変する技術である。また、ライブラリーの構築には、ドラッグライクネスの判断や毒性のある官能基[8]を排除する、創薬化学の経験と知識が必要である。参考文献[1]Jencks,W.P.Ontheattributionandadditivityofbindingenergies.Proc.Natl.Acad.Sci.USA(1981).78,4046-4050.[2]Shuker,S.B.etal.Discoveringhigh-affinityligandsforproteins:SARbyNMR.Science(1996).274,1531-1534.[3]Hajduk,P.J.andGreer,J.Adecadeoffragment-baseddrugdesign:strategicadvancesandlessonslearned.NatureRev.DrugDiscov.(2007).6,211-219.[4]黒木保久NMRスクリーニングとFragment-basedDrugDiscovery.SARNews(2005).9,2-6.[5]Nienaber,V.L.etal.DiscoveringnovelligandsformacromoleculesusingX-raycrystallographyscreening.Nat.Biotechnol.(2000).18,1105-1108.[6]Pflugrath,J.W.etal.ACTOR:automatedcrystaltransport,orientationandretrieval.ActaCryst.(2002).A58,c72.[7]Abad-Zapatero,C.Notesofaproteincrystallographer:mynightswithACTOR.ActaCryst.(2005).D61,1432-1435.[8]Polinsky,A.High-speedchemistrylibraries:assessmentofdrug-likeness.ThePracticeofMedicinalChemistry(2nd),147.SARNewsNo.15(Oct.2008)/////CuttingEdge/////FBDDのためのinsilicoアプローチ株式会社ファルマデザイン創薬研究部高橋理1.計算技術の2つの適用場面分子設計やシミュレーションは、FBDDに2つの段階で寄与し得る。1つはフラグメントスクリーニングにおいて、X線、SPR及びNMRなどに供するフラグメントライブラリを事前に絞り込むことによって、スクリーニングにかかる期間や費用を節減することが期待される。もう1つは、フラグメントからリードへの最適化の過程におけるフラグメント・エボリューションやフラグメント・リンキングなどを効率化することである。2.弱い相互作用を反映したスコア関数上記のいずれの過程においても、分子設計には従来より高い精度が要求される。フラグメントは少数の相互作用要素しか持たないため、CH-π,Cl-π相互作用やハロゲンボンドなどの弱い相互作用を含めた個々の相互作用を正確に再現することが必要と考えられる。これらの弱い相互作用は従来の分子力場には反映されておらず、分子軌道計算によって初めて考慮することが出来る。現在開発と普及が進みつつあるフラグメントMO法などに期待がかかる。一方で、短時間で手軽に使えるドッキングプログラムなどにこのような弱い相互作用を反映することも必要である。そこで我々は、古典的な分子力場の延長上でこれらの相互作用を導入したドッキングスコア関数を開発した。このスコア関数は、vdW項、クーロン項、溶媒露出表面積、回転結合数の各項と、上記の弱い相互作用を反映する項から成る。弱い相互作用の項は関数形として、レナードジョーンズ型ポテンシャル関数を使用する。ただし、相互作用の方向性を与えるために、相互作用する原子の隣の原子を中心とする反発力を必要に応じて加えた。これら各項のパラメータを、複合体結晶構造に基づいて決定した。具体的には、フラグメントを中心とする31個の複合体結晶構造について、異なるパラメータを用いて複数回のドッキング計算を行い、得られた多数の結合様式をRMSDに基づいてクラスタリングすることによって、最大1万件の結合様式の網羅的なセットを用意した(図1)。これらのサンプルの中で、天然の結合様式のスコアが最も低くなるよう、スコア関数のパラメータを最適化した。サンプル構造結晶構造図1.パラメータ最適化に用いたサンプル構造と天然構造の例このようにして得られたパラメータを弊社で開発したドッキングプログラムPD-Dockに導入し、Astex社のグループが発表したドッキング精度評価用のデータセット[1]のドッキングを行った結果を図2に示す。また、特にCl-π相互作用を含む例として、factorXa-阻害剤複合体である1NFUのドッキングを行った。この複合体では、リガンドが通常S1ポケットに結合するベンズアミジン部分を持つにもかかわらず、この部分が溶媒側に露出しており、代わりにベンゾチオフェンに置換した塩素がS1ポケットの奥にあるチロシン残基のπ電子とCl-π相互作用を形成している-17-SARNewsNo.15(Oct.2008)[2]。多くの市販ドッキングプログラムではベンズアミジンがS1ポケットに結合する誤った構造が予測されるが、上記評価関数を導入したPD-Dockでは正しい様式が予測された。(図3)05101520253035404550<1<2<3<4<5<6<7<8<9<10<11<12noposeRMSD(Å)個数図3.factorXa阻害剤複合体のドッキング炭素緑:結晶構造炭素灰色:ドッキング結果図はチロシン残基とのCl-π相互作用の箇所を示す。図2.Astexデータセットによるドッキング精度の評価85複合体についてドッキングを実施し、予測構造と結晶構造とのRMSDの分布を示した。3.Hsp90のフラグメントスクリーニングへの適用この方法を、Hsp90に適用した。Hsp90のN末端ドメインに結合する阻害剤は、抗がん剤として幾つかの企業が開発を進めており、FBDDによる研究も複数発表されている。PDBにはこのドメインと低分子との複合体結晶構造が40件登録されているが、リガンド結合部位近傍に大きな構造変化があることと、保存された水分子があり、リガンドとの相互作用に直接関わっていることから、SBDDには比較的難しいターゲットである。40件の蛋白質構造とリガンドについて、上記のPD-DOCKを用いて総当りでドッキングを行った結果と結晶構造とのリガンドのRMSDを表1に示す。2Å以下を水色で示した。表1.Hsp90PDB複合体の総当りドッキング蛋白質リガンド1UY61UY71UY81UY91UYC1UYD1UYE1UYF1UYG1UYH1UYI1UYK1UYM2FWY2FWZ2H552QF62QG23BMY3D0B1YC11YC42BZ52QFO2QG01YC31YET2BYH2BYI2BSM2BT02CCS2CCT2CCU2CDD2JJC2UWD2VCI2VCJ3BM9Cluster11111111111111111111222223333444444444441UY60.620.876.271.251.070.770.970.802.551.740.861.920.730.910.860.826.173.786.006.575.535.445.266.116.056.724.356.726.745.998.476.055.276.725.937.476.086.695.246.680.620.621UY71.010.891.060.801.190.976.241.024.676.255.591.216.400.821.010.955.574.265.603.215.705.815.875.545.405.813.814.336.284.955.574.885.645.955.596.615.595.324.815.530.801.011UY80.680.865.900.661.002.266.246.421.030.500.781.515.870.486.290.755.235.095.646.534.364.415.745.375.755.803.574.174.395.205.855.215.185.955.366.825.405.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190.500.502CCT6.265.945.875.875.915.905.935.815.855.925.985.645.905.895.805.825.825.970.675.755.950.640.725.915.970.825.925.970.770.520.650.880.570.870.637.050.570.650.590.600.520.572CCU8.999.354.824.754.729.089.648.824.694.744.764.649.084.734.854.672.199.382.548.632.232.201.893.293.812.444.172.652.561.991.752.202.461.663.956.441.992.082.101.851.751.992CDD4.696.214.864.584.856.546.534.874.985.114.546.494.647.117.254.844.424.751.314.731.780.446.245.745.931.686.215.041.300.510.760.770.910.940.645.961.011.101.040.840.441.012JJC0.682.642.662.652.460.802.722.640.772.630.802.590.380.572.500.972.670.842.592.682.922.592.220.300.470.790.922.702.652.662.622.912.712.692.620.622.970.671.752.630.301.752UWD6.506.396.546.536.537.857.677.676.565.766.686.447.807.615.738.995.656.641.178.185.761.115.095.805.840.915.701.471.010.420.650.750.550.610.655.160.470.700.630.850.420.472VCI5.715.505.495.525.635.715.675.445.575.585.594.615.605.845.535.602.205.652.235.701.911.711.705.795.871.677.581.701.850.911.131.011.217.351.007.060.871.326.141.660.870.872VCJ8.175.425.425.505.585.537.315.515.445.615.625.257.975.525.585.585.487.542.115.522.222.082.703.385.681.755.772.622.431.821.591.191.221.191.506.301.862.211.861.761.181.863BM96.866.146.946.106.916.459.366.906.426.126.145.546.926.086.876.135.826.890.755.715.006.855.226.716.560.467.703.170.510.361.320.463.207.371.245.920.520.523.160.410.360.52RMSD最小値(Å)スコアで選択したRMSD(Å)-18-SARNewsNo.15(Oct.2008)PDBコードの欄は主鎖のRMSDで構造を分類したクラスタで色分けした。クラスタ1(桃色)と4(紫色)の内部で比較的良好な結果だが、クラスタを跨いだクロスドッキングでは結合様式が全く予測できないことが分かる。この結果から、1つの構造を用いたドッキングによってフラグメントの絞込みを行うと、特定の骨格に偏る可能性がある。そこで、多くの化合物の結合様式が再現できるように、クラスタ1と4から2つずつ、クラスタ2と3から1つずつの合計6つの構造の組を選択してスクリーニングを実施することとした。図4に示すように、それぞれの構造に対してライブラリ化合物のドッキングを行い、各化合物についてスコアを基準として6つの中から1つの構造に対するドッキング結果を選択する。蛋白質に大きな構造変化があることと、結合部位の水分子の有無が結晶によって異なることなどから、異なる結晶に対するドッキングスコアは直接比較することができない。そこで、各結晶のドッキングスコアに異なる定数を加えて、スコアを比較できるようにした。各定数項は、6つのドッキング結果から、スコアが小さい結果を選択した場合に、RMSDが2Å以下となる件数が最も多くなるように設定した。その結果、78%にあたる31件で正解構造が選ばれる条件を設定することができた。この場合のRMSD値を表1の右端の列に示した。この条件でフラグメントライブラリのスクリーニングを行い、現在ファルマ・アクセス社と共同で検証を実施している。図4複数構造によるスクリーニング6構造にそれぞれドッキングライブラリ化合物毎に、スコアが最も良いドッキング結果を採用StructureSCORE-11.1628-10.3125-10.1726-10.1406-10.0893NNNNNH2HN2NNNH2NNH2CH3NNNNOOHBrNH2OHHOOHNH2NNNH2NH2NNNNHN24.フラグメントからリードへフラグメントからリードへの最適化の過程を効率化するためのツールとして、弊社では2つの方法を開発している。1つは、フラグメント・リンキングを実施する際、最適なリンカーを設計するFragmentlinkerであり、もう1つは上述のPD-DOCKをフラグメント・エボリューションに適用する方法である。Fragmentlinkerは、隣り合うポケットに結合する2つのフラグメントの結合様式が判明している場合に、予め用意したリンカーデータベースを2つのフラグメントに結合させて最適なコンフォメーションを探索し、リンカーを選択する。最終的に蛋白質構造も最適化し、GB/SA法による溶媒効果を含む分子力場によって順位付けを行う。図5に、アセチルコリンエステラーゼの例で2つのフラグメントを結合するリンカーの長さを変えた場合にこの方法で計算された結合エネルギー値と、文献[3]に記載された活性値とを示した。全体の傾向が一致しており、共にn=7で最小となっている。一方、上述のPD-Dockをフラグメント・エボリューションに使用する方法も検討している。図6に示す例はPKB(proteinkinaseB/AKT)の阻害剤について文献で発表されたFBDDの例を追試したものである。ヒットフラグメントに置換基を導入した活性化合物と、仮想的に設計した類似の化合物群とを同一条件でドッキングした結果を示す。ここで使用したスコアは、別の骨格の既知化合物の情報に基づいてPKB用にカスタマイズしたスコア関数を、分子の大きさ(重原子数)によって規格化した値を用いた。グラフに赤丸で示した活性化合物が、類似化合物群の中で上位に集中していることから、この方法で活性のある化合物を選択できることが示唆される。-19-SARNewsNo.15(Oct.2008)-20-図5Fragmentlinkerのエネルギー値と活性値の関係図6PD-Dockによるフラグメント・エボリューションの検証グラフの赤丸は活性が確認された化合物、黒点はヒットフラグメントから設計した仮想化合物を示す。ヒットフラグメントの構造をグラフ中に示した-25-20-15-10-5001234567891011-7-6-5-4-3-2-10NNHNNHnE(kcal/mol)LogIC50EnergylogIC50塩基性アミンのみHNNHNNHNNX+HNNRNH3+HNN0.51μMNH2+HNN0.20μMNH3+ClHNN0.031μMClNH2+HNN0.018μMG.Saxtyらが報告した活性化合物検証用仮想化合物群[J.Med.Chem.50:2293-2296(2007)]市販試薬カタログから対応する官能基を持つ1797化合物NH3+HNN3.0μMHNNNH3+5.2μMHNN+H3N12μMNH3+Cl77μM5.結びフラグメントのスクリーニングと、フラグメントからのリードへの分子設計についての取り組みを紹介してきたが、いずれも開発途上で実験的な検証はこれからである。共同研究などの形で検証に取り組んで頂けるグループを求めている。6.参考文献[1]M.J.Hartshornetal.J.Med.Chem.50:726-741(2007)[2]S.Maignanetal.J.Med.Chem.46:685-690(2003)[3]E.H.Rydbergetal.J.Med.Chem.49:5491-5500(2006)7.謝辞本稿を執筆する機会を与えてくださいました編集委員の先生方に深く感謝申し上げます。本稿の内容は、増田吉昭、室谷歩、VincentBerenz,古谷利夫と筆者の共同研究によるものです。SARNewsNo.15(Oct.2008)/////Activities/////構造活性フォーラム2008「標的蛋白質志向のケミカルバイオロジーと構造活性相関」開催報告構造活性フォーラム2008実行委員長久保寺英夫1999年に開始された構造活性相関講習会から通算10回目,2003年に構造活性フォーラムと名称を変更してから6回目の構造活性フォーラム2008が,6月20日(金)に北里大学薬学部コンベンションホールで開催されました.参加者は,総数118名(講師・実行委員・学生アルバイトを含む),そのうち,大学関係30名,学生12名,会社関係68名,研究機関関係8名でした.今回は,創薬標的となる蛋白質やそのネットワークを特定し,それらの生理的機能を体系的に理解するケミカルバイオロジーに主眼を置いて,その最新研究を多角的に学ぶための講演会としました.講演の主題としては,構造活性相関研究との関連,蛋白質-リガンド相互作用への実験的・計算科学的アプローチ,創薬標的として重要な膜蛋白質の構造生物学,リガンド結合構造insilico予測などの側面から,それぞれご専門の先生方にご講演いただきました.また,プログラム作成にあたっては,討論時間を通常より多く割き,議論を充分行えるよう配慮しました.以下に,当日のプログラムと講演の概要を記します.1.ケミカルバイオロジー:情報から制御へ藤井信孝(京都大学大学院薬学研究科)2.遺伝子ならびにタンパク質の定量的発現比較解析を構造活性相関研究へ応用する大和隆志(エーザイ株式会社創薬第二研究所)3.ゲノムワイドなタンパク質化合物相互作用の統計的予測榊原康文(慶応義塾大学理工学部)4.組み換え体ヒト由来膜タンパク質の立体構造:放射光結晶解析の創薬寄与への新たな飛躍へ宮野雅司(理化学研究所播磨研究所)5.高能率インシリコパイプライン研究とドッキング医薬品候補化合物の選択梅山秀明(北里大学薬学部)藤井信孝先生の講演では,大学における創薬研究のあり方について,また,国家プロジェクトとして進められている,“ターゲット蛋白質研究プロジェクト”の紹介等がありました.多因子疾患multifactorialdiseasesに関し,藤井先生自身は“systemchemotherapy”という術語も作られ,多点制御を目指していられるそうです.大和隆志先生の講演では,“medichemablelibrary”概念,logicalにchemicallibrary内容を検討した上でDOS(Diversity-OrientedSynthesis)を実施する必要性,sulfonamide化合物の化学構造と標的との相互作用解明を巡って,合成化学・情報科学・NMRの研究者が強力に連携して進められた研究が生き生きと紹介されました.榊原康文先生の講演では,SVM(SupportVectorMachine)によって蛋白質-化合物相互作用をモデル化し,未知化合物の相互作用を予測する方法論が示されました,蛋白質側は,その領域(例えば,GPCRの場合,細胞外・細胞膜内・細胞内)を分けて扱うことによって,それらの寄与度が明らかにできるとのことです.宮野雅司先生の講演では,GPCRを中心に,膜蛋白質立体構造が議論されました.注目すべきは,講演の2日ほど前にweb上に発表された,創薬研究者が渇望するまさに最新のGPCR結晶構造解析情報(ligand-freeopsin)が,逸早く発表に盛り込まれたことでした.この分野の大きなうねりと創薬へのインパクトが痛感されました.梅山秀明先生の講演では,PDBに蓄積された既存複合体構造を最大限活用して,結合構造未知の化合物のdockingを行う新規方法論の紹介がありました.今後,更に蛋白質-化合物複合体構造の報告が増すにつれ,結合様式に関わる知識・情報をいかに活かすかが鍵となり,本方法論からの成果が期待されます.末筆ながら,最新且つ有益なご講演をいただいた講師の先生方,ご多忙の中ご参加いただいた皆様,開催のご支援・ご教示をいただいた皆様に,心よりお礼申し上げます.-21-SARNewsNo.15(Oct.2008)/////Activities/////SARPromotionAward平成20年度受賞者(庶務幹事新潟薬科大学米田照代)構造活性相関部会では,平成17年度より構造活性相関研究の発展を促進するための事業として当該制度を設け,部会員の国外での研究発表を奨励している.平成20年度は,6月20日の常任幹事会において,受賞者を次の1名に決定した.氏名浅田直也(あさだなおや)所属京都大学大学院・薬学研究科・医薬品理論設計学講座(博士前期課程2年)参加学会名The17thEuropeanSymposiumonQuantitativeStructure-ActivityRelationships開催期日2008年9月21日~2008年9月26日開催場所スウェーデン、ウプサラ演題AnalysisofinteractionsbetweenCaseinKinase2(CK2)anditsligandusingFragmentMolecularOrbitalmethod(ポスター発表)受賞者の報告は,次号のSARNewsに掲載される予定である.-22-SARNewsNo.15(Oct.2008)/////Activities/////<会告>第36回構造活性相関シンポジウム日時平成20年11月2日(日)・3日(月)会場神戸国際会議場(神戸市中央区港島中町6-9-1)主催日本薬学会日本薬学会構造活性相関部会共催日本化学会,日本農芸化学会,日本分析化学会,日本農薬学会協賛日本薬学会医薬化学部会,日本薬学会薬学研究ビジョン部会懇親会11月2日(日)連絡先〒565-0871吹田市山田丘1-6大阪大学大学院薬学研究科高木達也TEL/FAX06-6879-8243叉は8240E-mailsar36@phs.osaka-u.ac.jp第1日目(11月2日)10:50-11:00開会(阪大院・薬、阪大・微研)高木達也11:05-12:05一般講演(会場:3F・国際会議室)K201*ScaffoldHoppingUsingInductiveLogicProgramming(アステラス製薬)○角山和久,(EquinoxPharmaLtd)AtaAmini,(ImperialCollegeLondon)MichaelJ.E.Sternberg,StephenH.MuggletonK202*Developmentofbioinformaticsbasedligand-dockingandin-silicoscreening(理化研)○高谷大輔,(北里大・薬)寺師玄記,加納和彦K203Point-fluorinationeffectonmolecularconformationintheaggregationpheromone,(3S,4S)-4-methyl-3-heptanol(鳥取大院・工)○早瀬修一,田中絢子,川面基,伊藤敏幸13:30-15:30ポスターセッション(会場・3Fレセプションホール)13:30-14:30奇数番号発表14:30-15:30偶数番号発表15:45-17:15一般講演(会場:3F・国際会議室)K204*Predictionoforalbioavailabilityofdruglikechemicalcompounds(阪大院・薬)○石塚賀彦,(田辺三菱製薬)大軽貴典,(阪大院薬)日高伸之介,山崎広之,高原淳一,岡本晃典,(阪大院薬、RCC-ERI)川下理日人,(阪大微研、RCC-ERI)安永照雄,(阪大院薬、阪大微研、RCC-ERI)高木達也K205*EcotoxicityPredictionusing3D-descriptors(阪大院・薬)○大眉佳大,(国立環境研)白石寛明,(阪大院・薬)岡本晃典,日高-23-SARNewsNo.15(Oct.2008)伸之介,高原淳一,(阪大院・薬、RCC-ERI)川下理日人,(阪大院薬、阪大微研、RCC-ERI)高木達也K206AnalysisofTwenty-eight-dayRepeatedDoseToxicityTestDatainRatsUsingCascadeModel(関学大・理工)○大森紀人,森幸雄,堀川袷志,山川眞透,岡田孝,(NITE)櫻谷祐企,林真K207*EfficacyEvaluationofNaturalMedicineBasedontheStateAnalysisofIron(長浜バイオ大)○川瀬雅也,(阪大・RIセンター)斎藤直,(阪大院・理)池田康大,(大阪大谷大・薬)森本正太郎,(阪大博物館、富山大和漢研)高橋京子,(阪大院・薬、阪大・微研、RCC-ERI)高木達也,(富山大・和漢研)柴原直利,小松かつ子18:00-20:00懇親会(会場・神戸クォリティホテル)ポスターセッション(会場・3Fレセプションホール)KP201Developmentofapplicationtoolsforprotein-ligandinteractionanalysesinProteinDataBank(長浜バイオ大・生命情報)○齊藤美保子,白井剛KP202DevelopmentofaSoftwareToolforPharmacologicalActivityPredictionbyusingCollectiveSVMModels.(豊橋技科大)○藤島悟志,(科研製薬)河合健太郎,(豊橋技科大)高橋由雅KP203TheoreticalStudyofPartialAgonistLigandsofVitaminDReceptor(VDR):19-norVitaminD3Analogues(立教大・理)○元吉沙也加(立教大・極限生命情報研)山岸賢司,(日本大・医),槇島誠,(日本大・医,立教大・極限生命情報研)山田幸子,(立教大・理)常盤広明KP204Virtualscreeningandstructuraldevelopmentforinsectmoltinghormonalagonist(京都大院・農)○原田俊幸,中川好秋,宮川恒KP205StructuralFeatureAnalysisofTransmembraneHelicesinHumanOlfactoryReceptors(豊橋技科大)○甲賀裕二,加藤博明KP206AutomatedClassificationofQuaternaryStructureofProteinBasedonDomainPattern(豊橋技科大)○小川裕行,加藤博明KP207ToxicityEvaluationSystemforChemicalCompoundsBasedonBayesianNet○山口一歩,岡田孝,(NITE)櫻谷祐企,林真,(東北大院・薬)山添康KP208KineticDescriptionandQSARfortheDegradationReactionofElectrophilic1-b-O-AcylGlucuronides(北海道薬大)馬場暁子,○吉岡忠夫KP209Investigationofsubstratespecificityandregioselectivitybasedonenzymeandsubstrate-24-SARNewsNo.15(Oct.2008)threedimensionalstructureofCYP1A2ofhumanandanimals(富士通)○和田睦世,服部沙里,紙谷希,酒井広太,山下辰博,朝永惇KP210取り消しKP211AnalysisofcompoundswithdevelopmentaltoxicityinhumanandpredictionoffetotoxicityusingSupportVectorMachines(徳島大院薬)○菊野裕介,足立麻美,坂本久美子,木原勝,山内あい子KP212Structure-activityRelationshipsofPerfluoroAlkaneAcidsforBioconcentraion(NITE)○佐藤佐和子,櫻谷祐企,池永裕,中島基樹,山田隼KP213AnalysisofRepeatDoseToxicityTestDataforAnilineDerivatives(NITE)○櫻谷祐企,佐藤佐和子,西川智,山田隼,前川昭彦,林真KP214AnalysisofRepeatDoseToxicityTestDataforNitrobenzenederivatives(NITE)○西川智,櫻谷祐企,佐藤佐和子,山田隼,前川昭彦,林真KP215EvaluationofBioconcentrationFactorsforChemicalsbyusingCategoryApproach(NITE)○池永裕,櫻谷祐企,佐藤佐和子,中島基樹,山田隼KP216Theconstructionsof3D-QSARmodelsforthePPARsagonistsinconsiderationofmembranetransport(北里大・薬)○中込泉,山乙教之,合田浩明,広野修一KP217StudyonClassficationModelofChemicalsforEcotoxicityQSARSystem,KATE(国立環境研)○古濱彩子,青木康展,白石寛明KP218AnapproachforproducingapotentCK2αinhibitorusingX-rayandcalorimetryanalyses(大阪府大院・理)○関口雄介,(大阪府大院・生命)深田はるみ,(大阪府大院・理)仲庭哲津子,木下誉富,(近大・薬)中村真也,仲西功,(京大院・薬)北浦和夫,大野浩章,鈴木大和,平澤明,辻本豪三,(大阪府大院・理)多田俊治KP219MakingaRelationalDictionaryforNTGRemovalGraphandBiologicalActionofDrugMolecules(豊橋技科大)○勝田隆弘,高橋由雅KP220ANoveldenovoDrugDesign:ApplicationofPseudo-MolecularProbeinConstructionofNovelCompoundsbasedonTargetStructure(菱化システム)○東田欣也,後藤純一,(東海大学医)平山令明KP221AComputationalStudyforRolesofaCoenzymeandAminoAcidResiduesinNAT2-IsoniazideComplex(東北薬科大)○小田彰,高橋央宜KP222MolecularRecognitionofBarbiturateEnantiomersinAgonistBindingSiteofNicotinicAcetylcholineReceptor(滋賀医大)○尾崎将之,瀬戸倫義KP223QSARStudyofBiphenylSulfonamideTypeMMP-9InhibitorsUsingAbInitioMO-25-SARNewsNo.15(Oct.2008)Calculation(徳島大院・薬)○長岡和也,大西未来,吉田達貞,中馬寛KP224ComparativeQSARAnalysesofaSeriesofBenzeneSulfonamideInhibitorsBasedonAbInitioMOCalculationofTheirComplexStructureswithCarbonicAnhydrase(徳島大院・薬)宗井陽平,○吉田達貞,中馬寛KP225ブラジキニンB1およびB2受容体とリガンドの複合体モデリングによる相互作用の解析(新潟薬科大)井坂修久,○安達晃弘,納富勇輔,田宮実,米田照代,石黒正路KP226PharmacophoreEstimationand3D-QSARofLigandsforOrganicAnionTransportingPolypeptide1B1(OATP1B1)(東京大院・薬)○渡辺悦郎,山乙教之,楠原洋之,広野修一,杉山雄一KP227DynamicsofmitochondrialADP/ATPcarrier:RoleofC-terminalregionofyAAC2(千葉科学大・薬)○大倉一人,渡邉靖子,川口遊喜,桝渕泰宏,(徳島大院・ソシオテクノサイエンス研)堀均,(徳島大・疾患ゲノム研)篠原康雄KP228取り消しKP229Fams-ace2:Structureevaluationprogramusingthecombinationoflocalconsensusmethodandcirclequalityassessmentmethod(北里大・薬)○寺師玄記,酒井博子,加納和彦,平田朋子,竹田―志鷹真由子,梅山秀明KP230CIRCLE:Developmentof3DProteinModelQualityAssessmentprogramusingsecondarystructurepredictionmethodandside-chainenvironment(北里大・薬)○寺師玄記,酒井博子,加納和彦,平田朋子,竹田―志鷹真由子,梅山秀明KP231FAMS_multi:AutomatedhomologymodelingbaseduponmultiplereferenceproteinsusingbetterpairwisealignmentsinCASP8(北里大薬)○加納和彦,平田朋子,寺師玄記,酒井博子,竹田―志鷹真由子,梅山秀明KP232FAMSD:IndividualComparativeModelingserverusingSP3,FAMSandCIRCLE(北里大・薬)○加納和彦,平田朋子,寺師玄記,酒井博子,竹田―志鷹真由子,梅山秀明KP233FAMSD_QA:Modelqualityassessmentusingthesidechainenvironmentconsensusscore(北里大・薬)○加納和彦,平田朋子,寺師玄記,酒井博子,竹田―志鷹真由子,梅山秀明-26-SARNewsNo.15(Oct.2008)第2日目(11月3日)9:50-11:30一般講演(会場:3F・国際会議室)K301*Chemocavity:SpecificConcavityinProteinReservedfortheBindingofBiologicallyFunctionalSmallMolecules(アステラス製薬)○曽我真司,白井宏樹,小堀正人,(東海大・医)平山令明K302*AntibodyDruggability(アステラス製薬)○白井宏樹,(阪大・蛋白研)黒田大祐,(アステラス製薬)小堀正人,(阪大・蛋白研)中村春木K303*TheoreticalstudyofgeometryandmolecularrecognitionmechanismofCaseinKinase2α(CK2α)withtheFMO-MP2method(京都大院・薬)○浅田直也,仲西功,北浦和夫K304*QSARStudyofCyclicUreaTypeHIV-1ProteaseInhibitorsUsingAbInitioFragmentMOCalculationofTheirComplexStructureswithHIV-1Protease(徳島大院・ヘルスバイオサイエンス研)○吉田達貞,中馬寛12:45-13:45特別講演(会場:3F・国際会議室)KSANovelStatisticalApproachinPharmaceuticalFormulationDevelopment(星薬大・薬)高山幸三教授13:50-14:40一般講演(会場:3F・国際会議室)K305*PredictionModelConstructionforCholestasisbyToxicogenomicsApproach(アステラス製薬)○松田喬,木上大輔,田村幸太朗,宇波明,小堀正人,(同志社女子大・薬・医薬基盤研)漆谷徹郎,(国立医薬品食品衛生研)大野泰雄K306*化合物三次元化方法の評価と3DMETの改良(農業生物資源研)○前田美紀,(大塚製薬)近藤一見15:30-19:30共同セッション(36thSARand8thJapan-ChinaJointSymposiumJointSession;会場・3F国際会議室、レセプションホール)-27-SARNewsNo.15(Oct.2008)/////Activities/////<会告>The8thChina-JapanSymposiumonDrugDesignandDevelopment3rdNov.–5thNov.2008ConferenceVenue:KobeInternationalConferenceCenterContactInformation:sar-pharm@sahs.med.osaka-u.ac.jpHideakiFujiwara,OsakaUniversityGraduateSchoolofMedicine1-7Yamadaoka,Suita,Osaka565-0871JAPANTEL/FAX+81-6-6879-2573PROGRAMMONDAY,3rdNov200815:00-15:30OpeningSession(InternationalConferenceRoom)15:30-16:10PlenaryLecture(InternationalConferenceRoom)Theassemblyofpharmacophoreandscaffold:somecasesoftheirapplicationZongruGuoInstituteofMateriaMedica,ChineseAcademyofMedicalSciences16:20-17:30InvitedLectures(InternationalConferenceRoom)V01JReprofilingtheHansch-FujitaTypeofClassicalQSARUsingModernMolecularCalculationsTatsusadaYoshida,KazuyaNagaoka,ToshioFujita,andHiroshiChumanGraduateSchoolofPharmaceuticalSciences,TheUniversityofTokushimaV02JPredictionofADME/ToxPropertieswithMachineLearningTerukiHonmaYokohamaInstitute,RIKEN17:45-19:30PosterSession(ReceptionHall)AboveLecturesandPostersarepresentedastheJointSessionwiththeJapaneseDomesticSymposium,the36thStructure-ActivityRelationshipsSymposium,sothatparticipantsinthetwoSymposiumscanpromotebilateralfriendshipandgoodwillaswellasacademicexchange.-28-SARNewsNo.15(Oct.2008)TUESDAY,4thNov20089:00-10:50OralSession(InternationalConferenceRoom)R01JRefinementofRegressionDiscriminationAnalysisHiroyukiYAMASAKI1,TakanoriOHGARU2,KousukeOKAMOTO1,NorihitoKAWASHITA1,3,4,JunichiTAKAHARA1,TeruoYASUNAGA1,3,4,TatsuyaTAKAGI1,3,41GraduateschoolofPharmaceuticalSciences,OsakaUniversity;2MedicinalChemistryLaboratory,MitsubishiTanabePharmaCorporation;3GenomeInformationResearchCenter,GraduateschoolofPharmaceuticalSciences,OsakaUniversity;4ResearchInstituteforMicrobialDiseases,OsakaUniversity,RCC-ERI,OsakaUniversityR02JDNAMicroarrayDataAnalysesUsingPerceptron-TypeMethodsAkikoMatsuura1,ShinnosukeHidaka1,KousukeOkamoto1,NorihitoKawashita1,2,3,MasayaKawase4,TeruoYasunaga2,3,TatsuyaTakagi1,2,31GraduateSchoolofPharmaceuticalSciences,OsakaUniversity,2GenomeInformationResearchCenter,ResearchInstituteforMicrobialDiseases,OsakaUniversity,3RCC-ERI4NagahamaInstituteofBio-ScienceandTechnologyV03JHuman-computercollaborativerecognitionofthestructureactivityrelationshipTakashiOkadaGraduateSchoolofScienceandTechnology,KwanseiGakuinUniversityV04JTheinformationcontentoftheshapeandelectrostaticfieldsofmoleculesAnthonyNichollsOpenEyeScientificSoftware,Inc11:05-12:35OralSession(InternationalConferenceRoom)R03JSynthesisandInhibitoryActivityofIndole2,3-DioxygenaseYuusakuYokoyama,1KatsuhikoTsutsumi,1HidetoshiAkimoto,3OsamuTakikawa,2andHiroakiOkuno11SchoolofPharmaceuticalScienceofTohoUniversity;2NationalInstituteforLongevityScience;3HokkaidoUniversityGraduateSchoolofMedicineV05CSynthesisoftheOriginallyProposedandStructuralRevisedTasiamideandItsAnaloguesZhenhuaMa,TiantianSun,ChunxiaLi,WeiZhang,PengWang,YingxiaLiKeyLaboratoryofMarineDrugs,TheMinistryofEducationofChina,SchoolofMedicineandPharmacy,OceanUniversityofChinaV06JLeadGenerationofNovelSteroidalAndrogenPureAntagonistusingChemogenomics-likeApproachandScaffoldHoppingtoNon-SteroidalCompoundsusingStructure-BasedDesign-29-SARNewsNo.15(Oct.2008)MasateruOhta,KazutakaTachibana,HitoshiYoshino,TakuyaShiraishi,IkuhiroImaoka,NobuakiKato,MitsuakiNakamura,HaruhikoSato,MitsuhiroKawata,KenjiTaniguchi,NobuyukiIshikura,MasahiroNagamuta,EtsuroOnuma,ToshitoNakagawa,andKyun-YunJungChugaiPharmaceuticalCo.Ltd.;C&CResearchLaboratories13:45-15:15OralSession(InternationalConferenceRoom)R04CDevelopmentandAssessmentofEmpiricalScoringFunctionsforComputingProtein-LigandBindingAffinitiesRenxiaoWang,*TiejunCheng,ZhiguoLiu,FuLin,XunLiandYanLiStateKeyLaboratoryofBioorganicChemistry,ShanghaiInstituteofOrganicChemistry,ChineseAcademyofSciences;InstituteofMateriaMedica,ChineseAcademyofMedicalSciencesV07CDiscoveringsmallorganiccompoundsasdenguedrugleadsbyusingMDsimulations,moleculardockingandbioassaymethodsZhiliZuo§,OiWahLiew§,ChumMokPuah§,WeiliangZhu‡,*§:CentreforBiomedical&LifeSciences,SingaporePolytechnic;‡:DrugDiscoveryandDesignCentre,ShanghaiInstituteofMateriaMedicaV08JComputationalapproachesforfragment-baseddrugdiscoveryOsamuTakahashi,AyumuMuroya,YoshiakiMasuda,ToshioFuruyaDrugDiscoveryDepartment,PharmaDesign,Inc.15:30-17:50OralSession(InternationalConferenceRoom)V09CHighlyEfficientandPracticalApproachestowardtheAsymmetricTotalSynthesisof(+)-CamptothecinsZhong-HuaWangaXiao-DongXiongaFang-JunXiongaFen-ErCheng*abaDepartmentofChemistry,FudanUniversity;bInstituteofBiomedicalScience,FudanUniversityV10CTheApproachtoDiscoverLeadCompoundswithNovelScaffoldShenJingkang*,TaoMeng,XiongBing,XieXin,andFangGuanghuaStateKeyLaboratoryofNewDrugResearch,ShanghaiInstituteofMateriaMedica,ChineseAcademyofSciencesV11JUniqueCompoundsProducedbyMarine-derivedFungiTakenoriKusumiGraduateSchoolofScienceandEngineering,TokyoInstituteofTechnologyV12JCrystalstructureofsquidrhodopsin-30-SARNewsNo.15(Oct.2008)TatsuroShimamuraGraduateSchoolofMedicine,KyotoUniversity18:15-20:00Banquet(QualityHotelKobe,16FBarcelona)WEDNESDAY,5thNov20088:40-10:30OralSession(InternationalConferenceRoom)R05JNonlinearclassificationofdrug-inducedarrhythmogenicactivityShinnosukeHIDAKA1,AkikoMATSUURA1,HiroyukiYAMASAKI1,YoshihiroOHMAYU1,KousukeOKAMOTO1,NorihitoKAWASHITA1,2,3,TatsuyaTAKAGI*1,2,31GraduateSchoolofPhamaceuticalSciences.OsakaUniversity,2GenomeInformationResearchCenter,ResearchInstituteforMicrobialDiseases,OsakaUniversity,3RCC-ERI,OsakaUniversityR06JEnhancementofOrdinalCoMFAbyRidgeLogisticPLSTakanoriOhgaru1,2,RyoShimizu2,KousukeOkamoto1,NorihitoKawashita1,3,MasayaKawase4,YukoShirakuni1,RikaNishikori4,TatsuyaTakagi*1,41GraduateSchoolofPhamaceuticalSciences.OsakaUniversity,2MitsubishiTanabePharmaCorporation,3GenomeInformationResearchCenter,RCC-ERI,OsakaUniversity,4FacultyofPharmacy,OsakaOhtaniUniversityV13CStudyonInteractionsandRecognitionbetweenHIV-1IntegraseandItsLigandsviaMolecularModelingCunXinWang,WeiZuChen,JianPingHuCollegeofLifeScienceandBioengineering,BeijingUniversityofTechnologyV14JAnalyzingPatentswithCheminformaticsTechniques~PredictionofKeyExampleCompoundsinCompetitors'PatentApplicationswithStructuralInformationAlone~KazunariHattoriDiscoveryResearchLaboratories,Shionogi&Co.,LTD10:45-12:00OralSession(InternationalConferenceRoom)R07CDesign,SynthesisandActivityofImmuno-modulatingAgentsDaliYin,ZhiyongLi,YanshenGuoInstituteofMateriaMedicaChineseAcademyofMedicalSciencesR08CDiscoveryofSmallMoleculeInhibitorsofIntegrinαvβ3throughStructure-BasedVirtualScreeningYuanZhou,HuiPeng,QingJi,JingQi,DongshengXiong,ChunzhengYang-31-SARNewsNo.15(Oct.2008)StateKeyLaboratoryofExperimentalHematology,InstituteofHematologyandBloodDiseasesHospital,ChineseAcademyofMedicalSciencesandPekingUnionMedicalCollegeV15CChemicalandBiologicalResearchofGambogicAcidYouQi-Dong,WangXiao-Yang,GuoQing-LongSchoolofPharmacy,ChinaPharmaceuticalUniversityInabovelist,thepresentationnumberthatstartswithVmeansInvitedLecturewhilethatstartswithRmeansgeneraloralpresentation.POSTERPRESENTATIONSP01ApplicationoftheTFS-BasedSupportVectorMachinestoin-silicoScreeningStrategyKentaroKawaiandYoshimasaTakahashiToyohashiUniversityofTechnologyP02FocusedLibraryDesignBasedonComplexCrystalStructuresandApplicationinFabZInhibitorsDiscoveryHongLiu,LinyanHe,LiangZhang,WeiliangZhu,XuShen,HauliangJiangDrugDiscoveryandDesignCenter,ShanghaiInstituteofMateriaMedicaP03Three-DimensionalStructuralDataMiningBasedonGeometricalFragmentSpectraHiroakiKato,ShigeruYoshida,YoshimasaTakahashiDepartmentofKnowledge-basedInformationEngineering,ToyohashiUniversityofTechnologyP04SynthesisandEvaluationofN4-ArylsulfonylquinoxalinonesasHIV-1ReverseTranscriptaseInhibitorsBailingXu1*,YanSun1,YingGuo1,YingliCao1,TaoYu1,YanshenGuo1,DecaiFu21InstituteofMateriaMedica,ChineseAcademyofMedicalSciences&PekingUnionMedicalCollege;2HebeiUniversityofScienceandTechnologyP05TheoreticalConsiderationonEnzymaticQSAR;EnergyDecompositionAnalysisoftheHammettσConstantandQSARofMMP-9InhibitorsUsingAbIinitioMOCalculationsKazuyaNagaoka,MikuOonishi,TatsusadaYoshida,HiroshiChumanGraduateSchoolofPharmaceuticalSciences,TheUniversityofTokushimaP06Design,synthesisofPhosphodiesteraseIVInhibitorsbasedonPharmacophoreandScaffoldHoppingYanshenGuo,XueshiMao,FengmingChu,ZongruGuoInstituteofMateriaMedicaChineseAcademyofMedicalSciencesP07Docking-posepredictionbyreceptor-basedtailor-madescoringfunctionShinyaNakamura*1,KazuoKitaura2andIsaoNakanishi1-32-SARNewsNo.15(Oct.2008)1DepartmentofPharmaceuticalSciences,SchoolofPharmacy,KinkiUniversity2GraduateSchoolofPharmaceuticalSciences,KyotoUniversityP08StructurepredictionandR115866bindingstudyofhumanCYP26A1:homologymodelling,foldrecognition,moleculardockingandMDsimulationsJin-HongRena,Xu-QiongXionga,YuShaa,Mao-CaiYana,BinLinb,JianWanga,Yong-KuiJingc,Dong-MeiZhaoaandMao-ShengChenga*aSchoolofPharmaceuticalEngineering,ShenyangPharmaceuticalUniversity;bStructuralandComputationalBiologyandMolecularBiophysics,BaylorCollegeofMedicine;cDepartmentofMedicine,MountSinaiSchoolofMedicineP09QSARmodelforpassivetransportpredictionwithinsilicodescriptors–Fromartificialmembranepermeabilitytohumanoralabsorption–MikiAkamatsu1,KazuyaNakao2,MasaakiFujikawa1,RyoShimizu21GraduateSchoolofAgriculture,KyotoUniversity;2MitsubishiTanabePharmaCorporationP10LeadIdentificationofNovelPTP1BInhibitors:IntegrationofPharmacophoreModelingandScaffoldHoppingZhiyanXiao1*,ShuenZhang1,FeilinNie1,JunzhengLiu1,YundeXiao2,FeiYe1,JinyingTian1andZongruGuo11InstituteofMateriaMedica,ChineseAcademyofMedicalSciences&PekingUnionMedicalCollege;2TargaceptInc.P11StructuralmodelsforbradykininB1receptor-ligandcomplexesNobuhisaIsaka,YuusukeNoutomi,MinoruTamiya,TeruyoYoneda,MasajiIshiguroFacultyofAppliedLifeSciences,NiigataUniversityofPharmacyandAppliedLifeSciencesP12PharmacophoreModelConstructionofβ-secretaseInhibitorsWenhaiHuang1,RongSheng1,Yongliao1,YongzhouHu1*1ZJU-ENSjointlaboratoryofMedicinalChemistry,SchoolofPharmaceuticalSciences,ZhejiangUniversityP13ClinicalQSARStudyonPlacentalDrugTransferandAnInVitroEvaluationModelUsingHumanPlacentalJEG-3CellsAikoYamauchi1,KaoriNakai1,SayakoDoi1,KumikoSakamoto2,MasaruKihara11GraduateSchoolofPharmaceuticalSciences,2DepartmentofHospitalPharmacy,TheUniversityofTokushimaP14MagneticResonanceImagingasaMeansofEstimatingBrainFunctions:SimultaneousT1andT2MappingofHumanBrainbytrueFISPSequenceMasayoshiSasagawa1,ToshiharuSakuma2,NaoakiYamada2,YujiIshikawa1,FumitoImai1,HirohikoImai1,AtsuomiKimura1,andHideakiFujiwara11GraduateSchoolofMedicine,OsakaUniversity;2NationalCardiovascularResearchInstitute-33-SARNewsNo.15(Oct.2008)P15MagneticResonanceImagingasaMeansofEstimatingCardiacFunctions:SimultaneousT1andT2MappingofHumanHeartbytrueFISPSequenceYujiIshikawa1,ToshiharuSakuma2,NaoakiYamada2,MasayoshiSasagawa1,FumitoImai1,HirohikoImai1,AtsuomiKimura1,andHideakiFujiwara11GraduateSchoolofMedicine,OsakaUniversity;2NationalCardiovascularResearchInstituteFollowingpostersareenrolledfromthe36thSymposiumonStructure-ActivityRelationshipsastheJointSessionwiththeJapaneseDomesticSymposium.KP201Developmentofapplicationtoolsforprotein-ligandinteractionanalysesinProteinDataBankMihokoSaito,TsuyoshiShiraiDepartmentofBioscience,NagahamaInstituteofBioscienceandTechnologyKP202DevelopmentofaSoftwareToolforPharmacologicalActivityPredictionbyusingCollectiveSVMModelsSatoshiFujishima1,KentaroKawai2,YoshimasaTakahashi11)DepartmentofKnowledge-basedInformationEngineering,ToyohashiUniversityofTechnology;2)CentralResearcchLaboratories,KakenPharmaceuticalCo.,Ltd.KP203TheoreticalStudyofPartialAgonistLigandsofVitaminDReceptor(VDR):19-norVitaminD3AnaloguesSayakaMotoyoshi1,KenjiYamagishi2,MakotoMakishima3,SachikoYamada2,3,andHiroakiTokiwa1,2,31)DepartmentofChemistry,FacultyofScience,RikkyoUniversity;2)ResearchInformationCenterforExtremophile,RikkyoUniversity;3)DepartmentofBiochemistry,NihonUniversityofMedicineKP211AnalysisofcompoundswithdevelopmentaltoxicityinhumanandpredictionoffetotoxicityusingSupportVectorMachinesYusukeKikuno,MamiAdachi,KumikoSakamoto,MasaruKihara,AikoYamauchiGraduateSchoolofPharmaceuticalSciences,TheUniversityofTokushimaKP219MakingaRelationalDictionaryforNTGRemovalGraphandBiologicalActionofDrugMoleculesTakahiroKatsuda,YoshimasaTakahashiDepartmentofKnowledge-basedInformationEngineering,ToyohashiUniversityofTechnologyKP220ANoveldenovoDrugDesign:ApplicationofPseudo-MolecularProbeinConstructionofNovelCompoundsbasedonTargetStructureKinyaToda1,JunichiGoto1,NoriakiHirayama2-34-SARNewsNo.15(Oct.2008)-35-1)ComputationalScienceDepartment,Science&TechnologySystemsDivision,RyokaSystems,Inc.;2)BasicMedicalScienceandMolecularMedicine,TokaiUniversitySchoolofMedicineKP225ModelingAnalysisofInteractionsofBradykininB1andB2ReceptorswithTheirEndogenousLigandsNobuhisaIsaka,AkihiroAdachi,YuusukeNoutomi,MinoruTamiya,TeruyoYoneda,MasajiIshiguroFacultyofAppliedLifeSciences,NiigataUniversityofPharmacyandAppliedLifeSciencesKP229Fams-ace2:StructureevaluationprogramusingthecombinationoflocalconsensusmethodandcirclequalityassessmentmethodGenkiTerashi1,HirokoSakai*1,KazuhikoKanou1,TomokoHirata1,MayukoTakeda-Shitaka1,HideakiUmeyama11)SchoolofPharmacy,KitasatoUniversityKP230CIRCLE:Developmentof3DProteinModelQualityAssessmentprogramusingsecondarystructurepredictionmethodandside-chainenvironmentGenkiTerashi1,HirokoSakai1,KazuhikoKanou1,TomokoHirata1,MayukoTakeda-Shitaka1,HideakiUmeyama11)SchoolofPharmacy,KitasatoUniversityKP231FAMS_multi:AutomatedhomologymodelingbaseduponmultiplereferenceproteinsusingbetterpairwisealignmentsinCASP8KazuhikoKanou1,TomokoHirata1,GenkiTerashi1,HirokoSakai1,MayukoTakeda-Shitaka1andHideakiUmeyama11)SchoolofPharmacy,KitasatoUniversityKP232FAMSD:IndividualComparativeModelingserverusingSP3,FAMSandCIRCLEKazuhikoKanou1,TomokoHirata1,GenkiTerashi1,HirokoSakai1,MayukoTakeda-Shitaka1andHideakiUmeyama11)SchoolofPharmacy,KitasatoUniversityKP233FAMSD_QA:ModelqualityassessmentusingthesidechainenvironmentconsensusscoreKazuhikoKanou1,TomokoHirata1,GenkiTerashi1,HirokoSakai1,MayukoTakeda-Shitaka1andHideakiUmeyama11)SchoolofPharmacy,KitasatoUniversityK202Developmentofbioinformaticsbasedligand-dockingandin-silicoscreeningDaisukeTakaya1,2,GenkiTerashi2,KazuhikoKanou2,MayukoTakeda-Shitaka1,2,HideakiUmeyama1,21)RIKENSystemsandStructuralBiologyCenter;2)BiomolecularDesign,SchoolofPharmacy,KitasatoUniversitySARNewsNo.15(Oct.2008)構造活性相関部会の沿革と趣旨1970年代の前半、医農薬を含む生理活性物質の活性発現の分子機構、立体構造・電子構造の計算や活性データ処理に対するコンピュータの活用など、関連分野のめざましい発展にともなって、構造活性相関と分子設計に対する新しい方法論が世界的に台頭してきた。このような情勢に呼応するとともに、研究者の交流と情報交換、研究発表と方法論の普及の場を提供することを目的に設立されたのが本部会の前身の構造活性相関懇話会である。1975年5月京都において第1回の「懇話会」(シンポジウム)が旗揚げされ、1980年からは年1回の「構造活性相関シンポジウム」が関係諸学会の共催の下で定期的に開催されるようになった。1993年より同シンポジウムは日本薬学会医薬化学部会の主催の下、関係学会の共催を得て行なわれることとなった。構造活性相関懇話会は1994年にその名称を同研究会に改め、シンポジウム開催の実務担当グループとしての役割を果すこととなった。2002年4月からは、日本薬学会の傘下組織の構造活性相関部会として再出発し、関連諸学会と密接な連携を保ちつつ、生理活性物質の構造活性相関に関する学術・研究の振興と推進に向けて活動している。現在それぞれ年一回のシンポジウムとフォーラムを開催するとともに、部会誌のSARNewsを年二回発行し、関係領域の最新の情勢に関する啓蒙と広報活動を行っている。本部会の沿革と趣旨および最新の動向などの詳細に関してはホームページを参照頂きたい。(http://bukai.pharm.or.jp/bukai_kozo/index.html)編集後記日本薬学会構造活性相関部会誌SARNews第15号をお届けいたします。ご多忙の中、ご執筆いただきました諸先生方に心よりお礼申し上げます。今号は、Fragment-BasedDrugDiscovery(FBDD)を特集しました。Perspective/Retrospectiveでは、田中大輔先生(大日本住友製薬)にFBDDの創薬における意義と全体像をご解説いただき、CuttingEdgeでは、各技術について、SPRを梶原大介先生と森本香織先生(GEヘルスケアバイオサイエンス)に、X線解析を山野昭人先生(ファルマ・アクセス)に、insilicoアプローチを高橋理先生(ファルマデザイン)にご紹介いただきました。FBDDの現状と今後を理解する上で、大いに参考になることと思います。このSARNewsが、今後とも構造活性相関研究の先端情報と展望を会員の皆様にご提供できることを編集委員一同願っております。(編集委員会)SARNewsNo.15平成20年10月1日発行:日本薬学会構造活性相関部会長石黒正路SARNews編集委員会(委員長)藤原巌清水良黒木保久福島千晶粕谷敦久保寺英夫*本誌の全ての記事・図表等の無断複写・転載を禁じます。-36-